柔軟な思考でアイデアが止まらない。自身の知識と経験で挑戦し続ける|旭鶴 田中淳平さん

KURAND
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2017/01/12

どんな人がどんな思いで醸した日本酒か知って飲む。すると日本酒はもっと美味しくなる。」そう信じて、少しでも造った人のことをお伝えしようと始めた蔵元インタビュー。前回に引き続き株式会社旭鶴 田中淳平(たなか じゅんぺい)さんのインタビュー第二弾です。

前回のインタビューでは、田中さんの子ども時代から学生時代、修行時代をお聞きしました。日本酒だけではなく、他のお酒の造りも学んだとはびっくりしました。

今回はお酒造りから今後の挑戦、蔵人さんならではの飲み方などをお聞きしました!

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外国への輸出や若い人の人気が伸びている日本酒業界。これからの世代のために価格や働き方にも変化を

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——前回の最後、過去に大変だったことをお聞きしましたが、具体的に大変なことは何でしょうか?

KURANDで扱ってもらえるようになって東京への売上は伸びているとはいえ、都市集中型というのが小売や日本酒業界の消費の動向なので、地元での売上はこれからも落ち続けると予想されるんです。地元の売上が落ちるスピートが早いので、その分上げて行かなきゃいけないのですが、まだまだできていませんね。

——なるほど、そもそもの人口が減っていますしね…。対策として何かされていることはありますか?

お米をなるべく千葉県産を使っていますね。千葉県は酒造好適米が「五百万石」と「総(ふさ)の舞」と「若水(わかみず)」の3種類しかないんです。旭鶴の方針としてはあまり五百万石と若水は使いません。酒質の点で、旭鶴のわりとドライ目のお酒造りには向いてないかな、ということで。総の舞は千葉県のみで栽培されているお米なのですが、それは積極的に使っていますね

——いいですね。地元のお米を使うことでどんな効果があると思いますか?

やっぱり地元のお米を買うことで地元の経済がまわるというのと、それがキャラクターになると思うんです。地元で飲んでもらう時も、東京に持っていく時も千葉県のキャラクターが出るのではないかと思いますね。

——確かに!千葉県出身の方は嬉しいでしょうし、広く認知されれば地元にもいいですね。

そうですね。

——これから役立ちそうなことは何かありますか?

前回のインタビューとも重なるのですが、愛知で麹番をやらせていただいたことはとっても良かったですね。愛知流と旭鶴流ってやっぱり違いますので、どこをどうして、何をねらってやっているのかがわかったのは大きいですね。

——なるほど。その経験が今のお酒造りに活かされているのですね。

そうですね。まだ具体的な銘柄のお酒にはなっていませんが、旭鶴って今結構辛口で造っているんですよ。辛口のお酒ってできたてがおいしいというよりかは、少し熟成させておいしいという感じのお酒なので、せっかく生樽サーバーをやっているので、新鮮でちょっと甘めな感じのお酒とかを造るときに麹の作り方を変えたいなって思っていますね、これからですが。

KURAND Lab.って始まったじゃないですか。そういうところでもこれから実験的な、今までの旭鶴の方向性とは違ったものをできたらなと思っていますね。

——すごく楽しみですね!今の日本酒業界に対して何か思いはありますか?プラス面でもマイナス面でも。

滝澤酒造・滝澤さんのインタビューを読んで、マイナス面はそれとかぶっちゃうのですが、原価対売上の金額っていうのがワイン業界とかと比べて全然上がっていないんですよね。

——そうですよね。

それをやっぱり最近は強く思うようになりました。ワインも学校で造ったことがあるのでワインに手間がかかっていない訳はないとわかっていますが、日本酒はどうしても原価対比の単価が安いので、そこは業界的にもうちょっと変わるといいなとは思います

頑張っていいお酒を造っていい値段で売ってるっていうのは、各蔵の頑張りではあると思うのですが、それが業界トータルで見るとあまりいい方向には向かっていないのかなと。みなさん古き良き日本人で、勤勉なのでね。

——なるほど。

冬場の間はみんな月一休みとか休み無しのところもあったりします。でもやっぱり自分の同世代以降はそういうのをブラックだと感じる人も多いので、そういう時代背景的にも変えていかないといけないなとは思いますね。自分は実家なのでいいのですが、働きに来ている人は大変だなって思ってしまいますよね。

——そうですね、「働き方改革」とか言われているこの時代、変えていかないといけない部分もありますね。何かプラス面はありますか?

少しずつ業界的に外国への輸出も右肩上がりで増えているっていうのはプラスに感じていますね。あとKURANDさんの乾杯イベントとかにも行かせていただいているのですが、お客さんは若い方が多くて。たまたまこの前も高校の同級生と会ったりしましたよ(笑)

——え、すごい!偶然ですか?

そう、何の連絡もなく、会いに来たわけでもなかったのですが、偶然会いましたね。そんな感じで若いお客さんが非常に多いので、やっぱりそういうところにアピールできるのはいいことだと思います。

——そうですね、若い人たちの間で日本酒ブームになっていますもんね。

はい、KURANDさんに行くとよくわかりますね。若い男性もいますけど、若い女性の方が多い気がします。

「研究中のもの」として出せるKURAND Lab.で新しいスパークリングを目指す

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——若手や家族経営の小さい蔵元さんなどを応援してるKURANDだからできることや、逆にやってほしいことなどはありますか?

そうですね、「町の酒屋さん再生プロジェクト」で復活した、赤羽の「沼野酒店」でしょうか。ああいうのもかなり面白いと思っていて、量り売りとか斬新ですよね。まあ昔はそれが当たり前だったと思うんですけどね。東京でそういうのもありなのかなと思いますね。

あと、この間始まったばかりのKURAND Lab. は、正直出る前にこっちから提案しようと思っていたんですよ

——え、そうなんですか!

夏にスパークリングの研究をしようと思っていて、ただスパークリングは小さく造りすぎても、大きく造りすぎてもあまり良くないんです。普通だと売れる量だけ造りたいってなるのですが、それだと小さくなっちゃって。なので「研究中のもの」として扱ってもらうことでちょうどいい量を造れて、お酒の質も上がると思うんです。そういう意味でKURAND Lab. ができたことはかなり自分にとっては嬉しいですし、同じことを考えていたんだっていう感じですね。

——すごいですね、意思疎通(笑)どうしてスパークリングに着目したのですか?

生樽サーバーをやっているので、もうちょっと有効活用ができないかなと思ったんです。生樽はKURANDさんに9本貸していたんですよ。

——え、そんなに(笑)ありがとうございます。

でもそしたら蔵の中から10本目が出てきて、これで実験的なことをしようかなと思って。

——いいですね!

今しぼりたての生酒でやっているのですが、生樽って耐圧*じゃないですか。しぼりたてのお酒でも、鮮度持ちは生樽の方がいいですが、すぐに飲む場合はあまり差が出てきません。でも炭酸が入ると瓶は耐圧にしないといけないんですね。

*生樽サーバーは、樽の中に圧力をかけてお酒を蛇口から出しています。

——底が深くくぼんでいる瓶ですね。

そうです。その瓶ってあまり一般的ではないので、四合瓶も一升瓶もすごく高いんですよ。一升瓶だと四合瓶よりも圧が多いのでより高くなります。一升瓶のスパークリング日本酒ってあまり出回ってないですよね?

——確かに、そうですね。

生樽は炭酸に対する強みがあるので、そこをもうちょっと工夫して、楽しい商品を提案できればなと思っています。すぐ商品化できなくても、アイデアを持っておくとこれから使うところが出てくるかなと思います。

——楽しみです!

お酒は人と人との結びつきでできている。そんな思いを銘柄に

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——日本酒の銘柄に由来などはありますか?

そうですね、今KURANDさんに出している商品ですと、「結(ゆい)」っていうのがあるんですけど、「結」には由来がありますね。

——人気ですよね!

その由来が、飲みニケーションっていう言葉があるくらい日本酒って人を”結ぶ”手段なんですよね。お酒ってそういう人と人との結びつきでできているみたいな部分もあるっていうことで、旭鶴の大吟醸「結」という名前で出しています。なんかKURANDに行くと、店長さんとかが「結ちゃん」って人みたいに言ってますけど(笑)

——言ってます言ってます。最初アルバイトの子だと思いました(笑)

お店でも「実は私ゆいっていう名前なんです」とか言ってくれる人結構いますね。

——そうなんですか。でもそういうのって絶対嬉しいですよね!

そうですね、自分の名前のお酒があるっていいですよね。

——友人に紹介したくなりますしね。「旭鶴」の由来は何かありますか?

ここは今、千葉県の佐倉市馬渡(まわたし)っていう住所なんですけど、昔は旭村っていう名前だったんですよ。隣町は旭ヶ丘とか微妙に名前が残っていますが、こっちは合併されて名前が変わってしまいました。その旭から取っていて、あとは縁起がいいっていうことで鶴をつけて旭鶴ですね。

——なるほど!

最初から旭鶴ではなかったとは聞いています。旭鶴になったのは昭和初期のあたりで、その前は「養老」っていう銘柄だったそうです。

——そうだったのですね。

「まずお酒を飲んで、合う料理を見つける」蔵人ならではのやり方でマリアージュを極める

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——他の蔵の方と飲んだりすることはあるんですか?

そうですね、KURANDさんの懇親会とか、やっぱりイベントの懇親会が多いですね。千葉県の若い人たちとイベント終わりに飲んだりもします。

——いいですね。蔵で飲むってなるとやっぱり自分のところのお酒ですか?

そうですね、もちろん社員割もありますし、合わせる料理とかも知っていると違うじゃないですか。自分はどっちかっていうと先に酒を飲んで、「この酒あれ合わせたいな」って料理することが多いです。

——すごい。ご自身で料理されるんですか?

わりとしますね。専門学校時代一人暮らししてたのもあって、女子力は50くらいあります(笑)彼女は料理しませんからね。

——女子力(笑)じゃあ田中さんが料理担当ですか?

そうですね、自分が料理担当です。多分ですが、こういう仕事だと味にうるさくなるので、つくってああだこうだ言われたくないっていうのもあると思いますね。職業病なので仕方ないんですが。全然つくるの嫌いじゃないですし。

——味はこだわりそうですね(笑)先にお酒の味を見てからこういうのを合わせたいって一般の飲食店さんと逆ですね。

そうですね。普通の飲食店さんって多分料理人が基本なので料理があって合うお酒を見つけるんですよね。酒造りの人は多分逆で、酒があって合う料理を見つけるんです

——その視点は面白いですね。このお酒に合う料理をつくってみようっていうイベントとかできそう。

そうですよね、個人的にはKURANDの店舗対決を見たいですね。各店の店長さんが腕を振るってどれが一番おいしいかっていうの、気になりますね。

——面白い!それはやりたいですね。

めっちゃ面白そうですよね。蔵元としても自分のお酒に何を合わせてくれるのか気になります。

——アイデアありがとうございます!


今回のインタビューはここまで。

生樽サーバーの色んな可能性を熟知し、アイデアがあふれる田中さん。今後の旭鶴が楽しみですね!

2回にわたってお届けした株式会社旭鶴・田中さんのインタビューはまだ続きますよ!次回はみなさんへの思いやKURANDと挑戦したいことを伺います。お楽しみに!

前回のインタビューはこちら
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