なんで日本酒の銘柄に「正宗」という字が付くことが多いの? | KURAND(クランド)
鈴木 將央

なんで日本酒の銘柄に「正宗」という字が付くことが多いの?

2016/08/23

こんにちは。先日、KURAND SAKE MARKETで商品が並んでいる冷蔵庫を眺めていたら、「正宗」とつく銘柄が非常に多いと感じました。どうしても気になったKURAND編集部スタッフが、実際に「正宗」と名のつく銘柄を扱っている蔵元さんに「正宗」という銘柄が多い理由について聞いてみることにしました!

全国に「正宗」の名前が入っている銘柄はどれくらいある?

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いったい、全国に「正宗」という名前のつく日本酒はどれくらいあるのでしょうか。ざっと調べたところ、「正宗」と名のつく銘柄は約180種類ほどあるようです。
 
このように、非常にたくさんの銘柄に「正宗」という名前が使用されていますね。「正宗」といえば、「伊達政宗」が思いつきます。漢字は違いますが、将軍や大名にあやかって名付けたとかが理由だったりするんでしょうか?
   

蔵元さんに聞いてみた!

さて、それでは、実際に蔵元さんがどんな理由で「正宗」という名をつけたのか聞いてみましょう!
 

栃木県・杉田酒造さん

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Q1.「正宗」という名前の銘柄が多い理由は何でしょうか。
 

残念ながら詳しくはわかりません…。

 
Q.杉田酒造の「雄東正宗」にはどんな意味こめられているのですか?
 
「雄東」は、「優等」から”関東の雄となれ”という意味を込めて今の名前になりました。「正宗」は縁起がいいので名付けました。

 
縁起がいいということで、「正宗」という名前をつけているのですね。それにしても、「関東の雄」とはカッコイイですね!
 

東京都・小山酒造さん

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Q1.「正宗」という名前の銘柄が多い理由は何でしょうか。
 

残念ながら、わかりません…。

 
Q2.小山酒造の「丸眞正宗」にはどんな意味が込められているのですか?
 
小山酒造の酒造りのポリシーは「正直に造り、正直にお客様へ届ける」ということです。初代 小山新七は、商いは誠実こそが基本であると、酒名に「まるまる本物のお酒」という思い込めて【丸眞正宗】としました。

 
小山酒造は明治11年から続く歴史のある蔵元で、「正宗」の理由は残念ながらわからなくなってしいました。「丸眞正宗」も同様に、正宗にかかる言葉の方に、蔵の思いがより現れていますね。
 

長野県・丸世酒造店さん

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Q1.「正宗」という名前の銘柄が多い理由は何でしょうか。
 

実は私も詳しいことはよくわかりません。話によると、灘(神戸)にある「桜正宗」が「正宗」の名前を使って販売し始めたのがはじまりで、それが江戸時代に好評だったことから、“おいしいお酒”の代名詞になったそうです。

 
Q2.丸世酒造店の「勢正宗」にはどんな意味が込められているのですか?
 
中国の故事に出てくる「鯉が滝に昇って龍になる」という話を、漢字一文字で表すと「勢」となるため、順調に成長していけるような願いをこめて名付けました。そこに日本酒をイメージさせる正宗という代名詞を付けました。

 
やはり「正宗」は謎が多いものの、「正宗」という名前のお酒の人気にあやかって普及したという説が有力ですね。そして、「勢正宗」には、蔵やお酒がメキメキと成長できるようにという思いが込められていることがわかりました。
 

「正宗」の由来のトンデモな説

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丸世酒造店さんから教えてもらった、灘(神戸)にある「桜正宗」が「正宗」の名前を使って販売し始めた説をきっかけに、もう少し調べてみたところ、「正宗」の起源はダジャレだったという説が有力なようです。
 
その由来は江戸時代まで遡ります。「桜正宗」の当時の当主・山邑太左衛門が、日本酒につける新しい銘柄のネーミングを考えている時に、かねてより親交のあった京都のお寺の住職を訪ね、机上の「臨済正宗」と書かれた経典をみて「コレだ!」と閃いたそうです。
 
「正宗」の音読み「セイシュウ」と日本酒の別名・清酒「セイシュ」の読みが似ていて、縁起も良さそうだと名付けられたとか。元々は、「セイシュウ」と読ませたかったとこころ、当時の人々は「セイシュウ」と呼ばずに「マサムネ」と唱え、その名が広まっていったそうです。
 
その後、「正宗」と名付けた銘柄の日本酒が人気を呼び、全国にまでその名を知らしめ、それにあやかった名前をつける蔵元が増えていったんだとか。清酒(セイシュ)=正宗(セイシュウ)とは、当時の人も考えることは余り変わっていませんね。笑
 

結論

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「正宗」が日本酒の銘柄に多い理由は定かではありませんが、江戸時代に灘の「桜正宗」が人気を博してから、日本酒の代名詞として多く使われるようになったようです。現在では、縁起のいい言葉や、「おいしいお酒」の代名詞として、多くの蔵元で「正宗」という名前が使われているようですが、調べてみた結果、その起源がまさかダジャレだったとは驚きました。
 
理由はどうであれ、蔵元の皆さんがお酒の名前に込めた思いを聞くと、よりお酒を楽しめそうですね!蔵元の皆さんがお酒に対して真摯な思いで酒造りをしていることを知り、日本酒をより好きになれそうです。
 
皆さんも日本酒を飲む時は名前に込められた思いを想像してみると面白いかもしれませんよ。ぜひ、その名前がどんな理由で付けられたのか考えながら、日本酒を楽しんでみてください!