米を噛んだら酒ができた。酒の起源は人の口の中で穀物を溶かした「口噛み酒」からだった? | KURAND(クランド)
鈴木 將央

米を噛んだら酒ができた。酒の起源は人の口の中で穀物を溶かした「口噛み酒」からだった?

2016/10/12

皆さんこんにちは。
 
皆さんはお酒がアルコール発酵によってできるということは知っていますよね。現在は酵母菌の力でアルコール発酵を行い酒を作り出していますが、まだ微生物を使った発酵の技術が確立していない大昔はどのようにして酒が造られていたのかご存知でしょうか?
 
実は、人の口内の微生物を使用して発酵させていたのです!これを「口噛み酒」といいますが、今回はそんな古代の酒造り「口噛み酒」に関してご説明していきましょう。

「口噛み酒」とは?その起源はどこにある?

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古代の日本や台湾では、米などの穀物や木の実などを口に入れて噛み、それを吐き出して溜めたものを放置して酒を造っていました。これを「口噛み酒」と呼び、古代の神事の際に造られていたと言われています。これはデンプンを持つ食物を口に入れて噛むことで、唾液中のアミラーゼがデンプンを糖化させるため、それを吐き出して溜めておくと、野生酵母が糖を発酵してアルコールを生成して酒が出来上がるという仕組みです。
 
口噛み酒の詳しい起源や発生地は不明ですが、穀物以外のデンプンを含んだ植物を食べていた東南アジアから南太平洋域が有力とされており、これらの文化圏と米が伝わっていく過程でその地域に根付いていったのではないかと言われています。ちなみに日本列島で口噛み酒が造られていたのは、縄文時代後期以降であると考えられていますが、現在の日本酒との歴史的な繋がりは見られないそうです。

実際に「口噛み酒」は造れるの?

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この口噛み酒ですが、米を噛んで吐き出し、保存するだけなので造ろうと思えば誰でも簡単に造ることができます。ただし口の中には非常に多くの雑菌が含まれているため、発酵の過程で雑菌が繁殖し腐臭がすることも。なので、個人で口噛み酒を造って飲むのは避けた方が無難と言えますね。
 
ちなみに、酒税法上、アルコール度数が1度以上の飲料は「酒類」に分類されるので、許可を受けずに酒類を製造すると、酒税法違反になります。なので、口に含んだお米を発酵させて1度以上のアルコールを製造する口噛み酒は、正確には、法的に違反にあたるというわけです。

「醸す」の起源は「噛む」から来ていた?

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酒造りを表現する「醸(かも)す」という言葉ですが、実は口噛み酒の「噛(か)む」が語源であるという説があります。確かに酒造りに関連する言葉で音が似ていることから、「噛む」が「醸す」に変わっていくということはありえそうですね。他に、農業博士の住江金之の著書「酒」によると「醸す」は「かびす」から転じたものであると分析されているそうです。


以上、口噛み酒についていかがでしたでしょうか。ちなみに、大ヒット中の映画「君の名は。」にも、この「口噛み酒」が登場するシーンがありますが、実際のところあまり美味しく飲めるものではないみたいですね。ただし、口噛み酒の例のように、昔の人間がこういった形でお酒を造っていたというのは非常に興味深い話です。お酒の歴史も遡ってみると様々は発見があるので、是非皆さんも興味があれば色々と調べてみると良いですよ。