鈴木 將央

お米を揉むのはなぜ?良い麹を造る第一歩「床もみ」とは?

2017/05/11

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奥深い日本酒の世界。味わいにしても、造りの現場にしても、日本酒には複雑な難しさがあり、それが日本酒のハードルを高くしています。しかし、一度知ってしまえば、日本酒の奥深い世界にもっと魅了されるはずです。そこで今回は、「床もみ」についてのお話し。

皆さんは、日本酒造りにおける「床もみ(とこもみ)」という工程を知っていますか?以前、「製麹」について解説しましたが、今回は「製麹」の大事な工程の一つである、「床もみ」という工程について詳しくお伝えしたいと思います。

製麹とは

「床もみ」の解説をする前に、まずは、「製麹」についておさらいしましょう。

精米したお米の一部は、洗って蒸した後、「麹」をつくるために「製麹」の作業に入ります。「製麹」の過程では、床もみ、切り返し、盛り、仲仕事、仕舞仕事、出麹という作業が行われ、お米が麹へと変わっていきます。
 
麹は、「種こうじ」と呼ばれる菌を米に付着させ、米の中で繁殖することによってできます。そうして出来上がった麹は、日本酒造りで欠かせない「糖化」を手助けする働きをします。また、麹は日本酒の深いコクを引き出す働きも持つため、質の良い麹を造ることが、酒質を左右する決定的なポイントとなります。
 
「一麹、二酛、三造り」という日本酒造りの格言があるように、製麹は酒造りの最も重要な工程の一つとされています。

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製麹をする「麹室」というところ

良質な麹を造るためには、〈適切な温度〉を保つことが必要です。そのために、製麹は徹底的に温度管理されている「麹室(こうじむろ)」という部分で作業されます。30度前後に設定された麹室での作業は、想像以上にハードなものです。

製麹で必ず行うこと

麹菌以外の菌や汚れが米に付着しないように、麹室を清潔に保つ努力がなされています。麹室に入る前は、必ず手を消毒します。また、白衣などに着替え、帽子をかぶります。
 
麹室の扉は風が通らないように密閉できる構造になっていることが多く、出入りの時もできるだけ開けっ放しにしないと決められています。このように、細心の注意を払うことによって、良質な麹が作られています。

床もみとは

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「床もみ」とは、蒸米に種こうじを振りかけ、種こうじが満遍なく付着するように米を混ぜる作業です。

「床もみ」する前に、蒸したお米を麹室で広げ(引き込み)、2~3時間放置して温度を均一にします。適切な温度になったら、「もやし」と言われる種こうじを、ふるいを使って米に振りかけます(種切り)。
 
そして、振りかけた麹菌が米に満遍なく付着するように、手でしっかりと混み混みます。麹菌がしっかりと繁殖するように、米を集めて積み上げ、上から布をかぶせて「床もみ」の工程は完了です。

「床もみ」の工程をまとめると下記のようになります。

【引き込み】蒸したお米を麹室で広げ、温度を均一に冷ます。
【種切り】種こうじを米に振りかける。
【床もみ】種こうじが満遍なく付着するように米を混ぜる。

「床もみ」の工程を言葉にすると、簡単なように見えますが、引き込みも種切りも熟練の技が必要な工程です。

種こうじって何?

 
先述の通り、日本酒は麹無しでは造れません。その麹を造るのに必要不可欠なのが、「種こうじ」です。「床もみ」の工程を説明した時にも登場した、この「種こうじ」とはいったいなんなのかを解説していきましょう。
 
日本酒造りに使用される種こうじは、玄米に麹菌の原菌を付着させて培養したものからつくられます。麹菌には主に3種類あり、黄麹菌、黒麹菌、白麹菌に分類されます。
 
日本酒造りに使われるのは黄麹菌で、デンプンの分解力が強いという特徴があります。そのため、日本酒の造りの寒い時期でも低温で発酵し、一方で雑菌の繁殖は抑えることができます。
 
また、低温で発酵させる事によって酵母も活動は低下しますが、同時に発酵の発熱で死ぬ酵母も少なくなり、雑味の少ないお酒を造ることができます。
 

種菌をなぜ「もやし」と言うの?

日本酒に限らず、発酵食品のもとである麹に使われる種菌のことを「もやし」と呼びます。そのため、麹菌の製造元を「もやし屋」と呼んだりもします。
 
なぜ、種こうじのことを「もやし」と呼ぶのでしょうか。
 
一説には、芽が出るという意味の「萌える」から「もやし」と呼ばれるようになったそうです。「もやし」は、麹米に菌が付着して芽吹く姿を「もやす」と表現したことに由来します。

床もみが終わった時点でのお米の温度「もみ上げ温度」とは

麹菌が最も活発に繁殖する温度帯は、種類によって異なりますが、32~37℃と言われています。麹菌がよく繁殖することは、良い酒質につながります。そのためには、麹菌の繁殖環境の温度を調整し、乾燥させないように保持することが必要です。
 
床もみが終わった時点でのお米の温度を「もみ上げ温度」といい、31~33℃で調整されることが多いです。もみ上げ温度が以後の麹菌の繁殖の速度を決定するため、床もみが終わった後のもみ上げ温度の管理が非常に重要となります。


製麹の最初の段階「床もみ」は、温度管理に細心の注意を払って麹菌をお米に付着させる作業でした。暖かく、重たいお米を混ぜる作業は、どれほど大変な作業なのでしょうか。
 
次回は、床もみでくっついたお米を切り離す「切り返し」をご紹介します!

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