鈴木 將央

蔵元が最も大変と言う「仲仕事・仕舞仕事」は、職人の技が光っていた。

2018/07/19

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皆さんは、日本酒造りにおける「製麹(せいきく)」という工程を知っていますか?「一麹、二酛、三造り」という日本酒造りの格言があるように、製麹は酒造りの最も重要な工程の一つとされています。
 
前回ご紹介した「盛り」に引き続き、麹作りの仕上げ作業「仲仕事・仕舞仕事」について解説します!

製麹とは?

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精米したお米の一部は、洗って蒸した後、「麹」を作るために「製麹」の作業に入ります。「製麹」の過程では、床もみ、切り返し、盛り、仲仕事、仕舞仕事、出麹という作業が行われ、お米が麹へと変わっていきます。
 
麹は、「種こうじ」と呼ばれる菌を米に付着させ、米の中で繁殖することによってできます。そうして出来上がった麹は、日本酒造りで欠かせない「糖化」を手助けする働きをします。また、麹は日本酒の深いコクを引き出す働きも持つため、質の良い麹を造ることが、酒質を左右する決定的なポイントとなります。

麹室というところ

良質な麹を造るためには、〈適切な温度〉を保つことが必要です。そのために、製麹は徹底的に温度管理されている「麹室(こうじむろ)」という部分で作業されます。30度前後に設定された麹室での作業は、想像以上にハードなものです。

製麹で必ず行うこと

麹菌以外の菌や汚れが米に付着しないように、麹室を清潔に保つ努力がなされています。麹室に入る前は、必ず手を消毒します。また、白衣などに着替え、帽子をかぶります。
 
麹室の扉は風が通らないように密閉できる構造になっていることが多く、出入りの時もできるだけ開けっ放しにしないと決められています。このように、細心の注意を払うことによって、良質な麹が作られています。

仲仕事・仕舞仕事とは?


前回の「盛り」の作業後、6~8時間ほどおくと、麹米はまた温度を上げています。そこで再び手を入れ、麹米の水分を飛ばし酸素をとどける作業を、仲仕事といいます。
 
仲仕事で麹米に手を入れ攪拌して、麹米の水分を飛ばします。お米に水分が含まれ過ぎていると、温度が十分に上がらず良質な麹ができあがらないためです。手入れ後は麹米を広げます。
 
「仲仕事」から6~7時間後、麹米はまた温度の上昇をしています。40度程度になったら、温度の上昇を抑えるために手を入れます。これを「仕舞仕事」と言います。
 
手を入れた後は麹米を広げて、指で線を入れます。畑の畝(うね)のように見えますね。これは、麹米のかたまりの表面積を広げ、効率よく水分を発散させるためです。

 
「盛り」〜「仕舞仕事」は、事前に目安となる温度を決めていて、決まった時間に決まった温度になるように調整されます。そのため、頻繁に温度を確認する必要があります。十分に温度が上がらなかったり、逆に上がりすぎてしまっては、いい麹はできません。
 

仲仕事・仕舞仕事のポイント

スピード勝負

製麹において、温度管理が重要であることはわかりましたね。麹菌の繁殖に伴う温度変化の管理の最終段階である仲仕事・仕舞仕事でも、気を抜けません。
 
手入れ作業や攪拌は、とにかくスピードが大事です。ゆっくりやっていると温度が下がりすぎてしまう恐れがあります。大量の麹米を扱う力仕事ながら、スピードも求められるのです。

機械を使っても、最後に決めるのは人間

大規模にお酒を作っている酒蔵では、機械を導入して全自動で温度管理をしている蔵もあります。それでも、最終的な判断を下すのは杜氏です。
 
杜氏は、麹を見て、触って、香りを嗅いで、麹の様子を見極めます。機械を使いながらも、時間ごとに麹の様子を見てやり、手を入れているのです。
 

「仲仕事・仕舞い仕事」が一番大変という理由


蓋麹法というこだわりの造りを実践している埼玉県・寒梅酒造の鈴木隆広杜氏は、製麹のなかで「仲仕事・仕舞い仕事」が最も大変と言います。なぜ「仲仕事・仕舞い仕事」が一番大変なのか、その理由を聞いてみました。
 
ーー製麹で一番大変な作業は何ですか?
  
「蓋麹の場合、やはり仲仕事、仕舞仕事でしょうか。特に仕舞仕事の時は長くて1時間以上、36度くらいの部屋で作業します。弊社の場合、私だけしかできないので、ひとりで同じことをずっとやらなければなりません。そのため、仲仕事・仕舞仕事は体力的にも、精神的にもなかなか厳しいです。あとは、夜間の温度チェック・積み替えも夜2~3回やりますが、うっかり寝過ごしたりできないので大変です。」
 
ーー鈴木杜氏しか出来ない作業とは、どういうことですか?
 
「仲仕事・仕舞い仕事では、蓋の上に麹米をいい具合に広げるのですが、実はその作業が結構難しいんです。麹米を広げた時の厚みなどで水分の蒸発速度などが変わってくるため、ただ広げればいいということではありません。いい具合に広げるためには練習や経験が必要なため、誰でもできる作業ではないんです。
 


いかがでしたか? 高温の麹室で1時間もの作業とは、考えただけで汗が出てきますね。こだわって作る蓋麹法では、経験を積んだ職人にしかできない技があるという言葉が印象的でした。
 
次回はついに製麹の最終段階「出麹」です。ただ麹を出すだけじゃない、伝統の技術がそこにはありました。

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