なぜ熊本で?現代吟醸酒の基礎を築いた「協会9号(熊本酵母)」を徹底解説! | KURAND(クランド)
鈴木 將央

なぜ熊本で?現代吟醸酒の基礎を築いた「協会9号(熊本酵母)」を徹底解説!

2018/05/21

みなさんこんにちは。いい日本酒を造るには「一麹、二酛(もと)、三造り」と言われるように、酒母造りが非常に重要です。
 
今回は、酒母を造る際に用いる「酵母」のお話です。

協会7号(真澄酵母)」「協会6号(新政酵母)」に続いて、現代吟醸酒の基礎を築いた「協会9号(熊本酵母)」をご紹介します!
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「協会9号(熊本酵母)」とは?

 
「協会9号(熊本酵母)」は、昭和28年に熊本県酒造研究所の保存酵母から分離され、昭和43年から全国で頒布されている酵母です。
 
高い吟醸香と強い発酵力から、吟醸造りで多く使用される「協会9号(熊本酵母)」は、近代吟醸酒のベースを造った酵母と言われています。
 
「香露」を造る酒蔵で発見されたため、「香露酵母」とも呼ばれています。
 

「協会9号(熊本酵母)」開発蔵について

熊本県酒造研究所は、明治42年(1909年)創業の研究機関兼造り酒屋です。代表銘柄は「香露」。
 
熊本県産酒の酒質向上のため、「酒の神様」と呼ばれる野白金一博士を初代技師長として迎え、県内の蔵元らの呼びかけによって立ち上げられました。
 
熊本県酒造研究所は、協会9号酵母と同系の酵母の保存・培養を続けています。熊本1号(KA-1)熊本4号(KA-4)など、数種の変異株を独自に頒布しています。
 

「協会9号(熊本酵母)」の開発秘話

「協会9号(熊本酵母)」は、1952(昭和27)年に野白金一博士の手によって分離・培養されました。
 
「協会9号(熊本酵母)」は、温暖な気候が吟醸造りのハンデとなる熊本の酒蔵で発見されました。低温で醸す必要がある吟醸酒ながら、温暖な熊本の地で良質な吟醸酒を醸す熊本酵母は、熊本県内から全国へと人気が広がり、現在吟醸造りに多く使用される酵母です。

「協会9号(熊本酵母)」を使ったお酒の特徴

「協会9号(熊本酵母)」は、強い発酵力が特徴です。「近代吟醸酒のベース」と言われているように、多くの酒蔵で使用されている酵母です。
 
「協会9号(熊本酵母)」は、上品な吟醸香を醸し出します。近年の酵母と比べると特徴は薄いものの、その分酒蔵の個性がよく出る酵母です。


いかがでしたか?熊本県というと焼酎のイメージが有りますが、実は日本酒造りも盛んな地域なんですね!熊本県には、「協会9号(熊本酵母)」の開発蔵が醸す「香露」をはじめ、多くの銘酒があります。
 
温暖な気候で吟醸酒に向かないという逆境を乗り越えた酵母「協会9号(熊本酵母)」は、その強さから全国で重宝される酵母となりました。日本酒を飲む際には、使用されている酵母に注目してみると、新たな発見があるかもしれませんね!