日本酒のお米にも早生と晩生がある。お米を知って日本酒をもっと楽しもう。 | KURAND(クランド)
鈴木 將央

日本酒のお米にも早生と晩生がある。お米を知って日本酒をもっと楽しもう。

2019/06/10

こちらの記事では、日本酒に関する豆知識を、できるだけわかりやすく説明していきたいと思います。
 
今回のテーマは「お米の早生・晩生」について。皆さんは日本酒の原料であるお米について、どれだけ知っていますか?
 

日本酒のお米の「早生」と「晩生」

日本酒のラベルには、「五百万石」「山田錦」などさまざまなお米の品種(=「酒米」といいます)が書かれています。それらの品種は、収穫時期によって「早生(わせ)」と「晩生(おくて)」に分けられます。
 
たとえば、
 
五百万石=「早生 4月田植え 8月下旬収穫」
山田錦=「晩生 6月田植え 11月頃収穫」

 
となります。
 

よい酒米の条件は「粒が大きい」・「やわらかい」・「心白が大きい」こと

よい酒米の条件として「粒が大きい」・「やわらかい」・「心白が大きい」などが挙げられますが、米粒の大きさは、気温の寒暖差によって生まれます。
 
昼と夜の寒暖差が大きいことが、よい酒米をつくるうえで必要になりますが、「早生」の収穫サイクルでは、この昼夜の寒暖差があまり生まれません。そのため一般的に、「五百万石」は「山田錦」より小さく、固い実を持ちます。
 
日本酒に詳しい方であれば、兵庫県の「山田錦特A地区」という言葉を聞いたことがある人もいると思います。この土地は昼と夜の寒暖差が大きく、土地が粘土質であり、山田錦の栽培条件が抜群にそろっています。そのため粒が大きく、プリップリの山田錦を収穫することができるのです。
 

みかんで例えてみる

みかんに例えると分かりやすいかもしれません。みかんは10月ごろからスーパーに並びますが、その時期のみかんは「早生みかん」で「小さい・硬い・あまり甘くない」といったイメージを抱きます。しかし年明けごろに並ぶ「晩生のみかん」には「大きい・柔らかい・甘い・みずみずしい」といったイメージを抱きますよね。
 
お米も同じで、
 
五百万石(早生)=「小さい・硬い・甘味が弱い・水気が乏しい」
山田錦(晩生)「大きい・柔らかい・甘い・みずみずしい」

 
となるのです(もちろん一概には言いきれませんが)。
 
麹はカビであり、水分を使って繁殖します。水分の多いお米のほうが麹は生えやすくなります。そうしてつくった麹米は、柔らかいので溶けやすく、かつ大きいので、もろみの中で酵母にエネルギーを供給し続けてくれます。そのため、山田錦を使えばよいお酒をつくりやすくなると言われてるのです。山田錦の評価が高い理由はここにあります。
 
もちろん、お酒の味はお米の品質だけで決まるものではありません。比較的小さく固い食用米をつかって、山田錦に匹敵するような酒質のお酒をつくる酒蔵もいます。「この原料米でこの味が出せる」というのは、造り手の力量を測る大きな尺度になります。
 

「同じ酒米で、違う酒蔵さんのお酒」で飲み比べる楽しみ

造り手の力量を測るという意味いえば、「同じ酒米で、違う酒蔵さんのお酒」という飲み比べをすることで、造り手の性格や、製造方法の違いがより分かるかもしれません。
 
たとえば
 
Single Origine Sake 佐渡(五百万石)
Single Origine Sake 奥能登(五百万石)
 
SHINKA 阿波トロピカル(山田錦)
Single Origine Sake 吉野(山田錦)
 
とかいろいろ試せそうです。ぜひお酒の新しい世界を楽しんでみてください。
 

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