2019/06/25
こちらの記事では、日本酒に関する豆知識を、できるだけわかりやすく説明していきたいと思います。
以前、「お米の早生・晩生」についてお話しましたが、今回のテーマは、「お米の等級」についてです。
皆さんは、日本酒の原料であるお米に等級があることはご存知ですか?
収穫されたお米は、検査のうえ等級が付けられ、それによって価格が決められるのですが、例えば、私たちが普段食べている食用米は、「1等、2等、3等、規格外(等外)」の4段階で分けられています。
この4段階に加えて、醸造用玄米(いわゆる「酒米」)には、「特上、特等」がプラスされ、合計6段階で評価されます。
ちなみに、一般的には、日本酒造りにおいては1等以上のお米が使われることが多いそうですが、山田錦などの有名な酒米でも、「特上、特等」のお米がとれるのは限られた地域のみだそうです。
では、このお米の等級は、誰がどうやって決めているか、ご存知ですか?
検査機に通す?食べて美味しいかどうか?…正解は、「目視で判断」です。
農業もシステム化されていると聞く昨今、意外だと思うかもしれませんが、お米の等級は「農作物検査員」という資格を持った人が目視で行っているんです。
検査する項目は大きく2つ。
・整粒歩合(粒ぞろい)
・被害米(割れ米、死米、未熟米などの)含有率
です。これを目で見て判断します。
一応、「穀粒判別機」という、お米を流し入れれば、整粒歩合と被害米含有率が数字で出てくる検査機はあります。
ただし、これはあくまで補助的に使われます。念を押すようですが、検査して等級をつけるのはあくまでも“人の目”なのです。
「あんなに小さな粒を人の目だけで本当に正確な検査ができるの?」
と思っている方もいると思います。実際私もそう思ってました。
しかし、農作物検査員の方がお米をさらって「これは整粒何%くらいだな」と言ってから穀粒判別機に通して、実際に出てきた数値がほぼ同じだったときは、正直驚きました。
我々が見ている世界と、毎日お米を見ている人の目に写る世界は違うのですね!以上、奥深いお米の世界のお話でした。