「ひやおろし」ってなに?基礎知識から美味しい飲み方まで徹底解説! | KURAND(クランド)
鈴木 將央

「ひやおろし」ってなに?基礎知識から美味しい飲み方まで徹底解説!

2019/09/27

秋以降の日本酒のラベルによく記されている、この「ひやおろし」という言葉。日本酒通の方はもちろん、詳しくないという方も「聞いたことはある!」という方が多いのではないでしょうか?

今回はそんな、日本酒好きを虜にしてやまない「ひやおろし」を徹底解説していきます。

「ひやおろし」とはどんなお酒なのか。その語源から、味・風味の特徴、またKURANDで発売している人気商品まで紹介していきます。

「ひやおろし」って、どういう意味?

日本酒は、「純米大吟醸」や「本醸造」といった、原材料と精米歩合で決まる用語だけでなく、日本酒を造る段階で「どの状態で瓶に入れられたのか」ということに着目した用語がいくつも存在します。

例えば、下記写真のラベルをご覧ください。

ラベルには「八男」という銘柄以外に「無濾過純米酒」と表記されていますね。

この言葉のうち「無濾過」の部分が、「どの状態で瓶に入れられたのか」を指す用語であり、この場合は「通常行われる濾過を、あえてしていない」状態の日本酒が瓶に入っているので「無濾過」と表記されているのです。

今回の主役「ひやおろし」もまた、そういった用語の一つになります。

では「ひやおろし」の日本酒とは、どういった状態を指すのでしょうか?それは語源を読み解くと、自ずと答えが見えてきます。

語源は「冷や」のまま「卸す」こと

日本酒は普通、冬に醸造されて絞られた後に、二度「火入れ」と呼ばれる加熱処理が行われます。

この「火入れ」をすることで、劣化防止・品質安定、などの効果が期待できますが、一方で日本酒が持つ本来の味や風味が損なわれてしまうことも

こういった背景もあり、日本酒の中にはあえて火入れをしないものも存在します。

例えば「生酒」。一度も「火入れ」をしないこの日本酒は、醸造技術や設備が向上した現在では、目にすることも多いですよね!

ひやおろし」も、こういったあえて火入れをしない日本酒を指す用語の一つです。

冬に絞ったお酒を、春以降に保存する際に、「火入れ」を一度行って貯蔵夏が過ぎ、外の気温と貯蔵庫の温度が同じくらいになる頃、二度目の「火入れ」を行わず卸される日本酒が「ひやおろし」と呼ばれているのです。

日本酒の温度で常温を意味する「冷や」。その状態で「卸す」ことから「ひやおろし」と名付けられた、江戸時代に誕生した用語です。

「秋上がり」との違いは?


「冷や」で「卸す」ことが「ひやおろし」の語源と説明したように、この言葉の本質は「日本酒の冷やを卸す」という行為にあります。

これに対し、「秋上がり」とは、日本酒が夏を越えて秋になった頃、香味が円熟し、旨味がのった(熟成した、酒質が向上した)状態のことを指します。

「ひやおろし」と「秋上がり」は、どちらも秋の季節限定酒を表すという点では同じですが、夏を越えて秋口に熟成した状態のことを「秋上がり」と呼び、「秋上がり」した日本酒を出荷することを「ひやおろし」と呼んでいるのです。

ただ、 現在は設備投資が進んだことから、「ひやおろし」の規定が曖昧になっています。

というのも、今までは外気と貯蔵庫の温度が同じくらいになったころに出荷していましたが、温度管理が容易になった現代では、出荷のタイミングに自由度が増したからです。

また、現代では「秋上がり」の火入れの回数もばらつきがあるということもあり、蔵元の中には「ひやおろし」「秋上がり」の表現を使わず「秋酒」という表現を使っているところも多いです。

ちなみに、熟成した、酒質が向上したことを指す「秋上がり」に対し、逆に上手く熟成しなかった(酒質が向上しなかった)場合は「秋落ち」と言います。

「ひやおろし」の特徴


一度「火入れ」を行ってから貯蔵した日本酒である「ひやおろし」。

冬に絞ったまま卸した「生酒」がフレッシュな味わいであるのに比べ、「ひやおろし」は一度「火入れ」を加えた後に、貯蔵庫でひと夏寝かせているため程よく熟成が行われています。

そのため、絞りたての際の粗さが取れ、まろやかな丸みが出た味わい深さを楽しめるのが、「ひやおろし」の特徴です。

秋以降の贅沢である「ひやおろし」

「ひやおろし」の語源や、味わいの特徴を紹介しましたが、実は一口に「ひやおろし」といっても、時期によって更に細かく分類され親しまれていたりもします。

ということで次は、「ひやおろし」を更に分類する理由と、その用語を紹介します!

時期による味わいの変化を楽しんで!


「ひやおろし」が解禁され、市場に出回るのは、一般的に毎年9月〜11月の間です。二度目の火入れをせず、熟成した味わいを楽しめるのが「ひやおろし」ですが、当然、上記の3ヶ月の間にも熟成は進行し、味わいは変化します。

例えば、9月頃に出荷される「ひやおろし」は、お酒の粗さや苦みが夏の間にゆっくりと除かれているため、熟成された味わいというよりは、比較的飲みやすく穏やかな味わいが特徴です。

一方、同じ「ひやおろし」でも11月頃に出荷されるものでは、その間に熟成が進んだ分、旨味が増した濃厚な美味しさが特徴になります。

このように、一口に「ひやおろし」といっても、時期により熟成具合が異なり、味わいに変化が起きるため、9月〜11月の間だけでも別々の名称で親しまれているのです。

ということで次は、その名称と特徴・美味しい飲み方・合う料理の3点を紹介します!

夏越し酒(なごしざけ)


9月に出回る「ひやおろし」を「夏越し酒」と言います。

ひと夏を過ごし、秋らしい涼しい風が吹き始めた時期に出回ることが、「夏越し酒」という名称の由縁です。

味わいの特徴は、和らいだ苦味、渋味と、濃厚な中にも合せ持つ軽快さとまろやかさ。まさに、「ひやおろし」の走りと言える味わいを楽しめるでしょう。

ただ、この季節はまだ夏の生酒が楽しめる季節でもあるので、「ひやおろし」と差別化するため、この時期の「夏の生酒」をあえて「夏越し酒」と紹介する酒屋さんもあるようです。

美味しい飲み方

夏越し酒」は、冷酒、または冷や(常温)で楽しむのがオススメです。

また、少し変わった飲み方だと、シャリシャリして美味しい「みぞれ酒」でも良いでしょう!

「みぞれ酒」とは、日本酒を冷やすことでできるシャーベット状態のお酒です。

-10度〜-15度で衝撃を与えず、ゆっくり冷やすと、固まらず液体状態の「みぞれ酒」が完成するので、気になる方は是非試してみてください。

合う料理

冷酒、または冷やであれば、和洋さまざまな料理に合いますが、特に、豆腐、漬物、梅水晶など、さっぱりした料理とは、まだ夏酒らしい爽やかさも残っている「夏越し酒」は相性抜群です。

「みぞれ酒」であれば、冷たい凍結酒なので、対照的に温かい料理がオススメ。素材の旨みが活かされた鍋などと一緒に楽しんでみてください!

秋出し一番酒(あきだしいちばんざけ)


10月頃の「ひやおろし」を「秋出し一番酒」と言います。

「夏越し酒」より熟成され、まろやかさと味の深みが増しているため、香りは穏やかで落ち着いており、口当たりは滑らかになっています。

「ひやおろし」の中でも、味のノリが良く、香りとのバランスもばっちり!まさに飲み頃と言えるお酒です。

美味しい飲み方

冷酒や冷や、または燗でも美味しく楽しめます。

特にオススメしたいのは、人肌に近い温度(約35度)で楽しむ「人肌燗」。
飲み物は温めると、味や香りが引き立つため、「秋出し一番酒」のバランスの良い香味をより楽しむことができますよ!

合う料理

「ひやおろし」の中でも飲み頃と言える「秋出し一番酒」は、秋の味覚と相性バツグンです。冷酒や冷や、そして燗でも楽しめるため、秋刀魚、きのこ料理など、秋のさまざまな料理と合います。

熱々のおでんとのペアリングがてら、出汁でお酒を割る「出汁割り」をしてみるのもオススメ。

また、意外な組み合わせですが、フレッシュチーズとも好相性ですよ!

晩秋旨酒(ばんしゅううまざけ)


11月頃の「ひやおろし」を「晩秋旨酒」と言います。

満を持して登場する「晩秋旨酒」は、「ひやおろし」のなかでも円熟な味わいが特徴。旨みとまろやかさが更に増した豊醇さ、濃密なとろみは、冬を控え、栄養をつけたい晩秋ならではの味わいと言えるでしょう。

美味しい飲み方

11月頃と言えば、朝晩がめっきり冷え込み始める紅葉シーズン。この季節でより美味しく日本酒を楽しみたいなら、やはり燗酒がオススメです。

温度は40度程で、人肌より少し熱いなと感じる程度の「ぬる燗」で味わってみるのはいかがでしょうか?

温めたことでより引き出される、「ひやおろし」独特の円熟された甘みや深い香り、そして、それらが口の中で一つになることで生まれる、よりまろやかになった「晩秋旨酒」を楽しめますよ!

合う料理

円熟、豊潤、濃密…。

これらの言葉が相応しい「晩秋旨酒」は、複雑な味わいの料理や、濃い味付けの料理とペアリングしても、その存在感が消されることはありません。

旨みがのった秋の味覚はもちろん、素材の旨みを味噌、醤油、塩をきかせて調理した、味がしっかりした料理と良く合います。

塩辛、ぶり大根、サバの味噌煮、煮込み、あん肝、からすみ、肉じゃが…etc。じっくり煮込んだ鍋料理に対して、「晩秋旨酒」を燗にして楽しむのも良いでしょう。また、濃厚なチーズにも良く合いますよ!


このように、一口に「ひやおろし」と言っても、出荷された時期により味わいに少しずつ変化が見られるため、月が変わる毎に「ひやおろし」を味わってみるのもオススメです。

オンラインストアで秋酒販売中!


日本酒通を虜にしてやまない「ひやおろし」。江戸時代から続く一種の伝統のようなものですが、軽く触れた通り「ひやおろし」の規定は現在曖昧になっています。

こういった背景もあり、KURANDでは「ひやおろし」「秋上がり」などと呼ばれることもある、秋に出回る美味しいお酒を「秋酒」として販売しています。

市場で多用されている「ひやおろし」「秋上がり」の用語で迷ってしまい、どれを買ったらいいか分からない…。そんな方は是非、KURANDが厳選した「秋酒」3本をチェックしてみてください!

レンガ造り 秋酒


深谷銘産「深谷レンガ」の特性を生かして醸された「レンガ造り」は、深谷の味をストーリーと共に楽しむために生み出された日本酒ブランドです。

「レンガ造り」の蔵で造るお酒の味わいをお楽しみください。

購入はコチラから

ながおかのほし 秋酒


長谷川酒造の次期当主である蔵元の長女・長谷川祐子さんの想いを、味わいとラベルに紡いだ女性のための食中酒「ながおかのほし」。

銘柄には「長岡を照らし、長岡と共に歩んでいく」という強い決意を込めました。

購入はコチラから

八男 秋酒


八男(やつお)」は、富山県・越中八尾の熱い男が醸した濃い味わいの日本酒です。

存在感際立つしっかりとした味わいで、キレの良さが特徴。濃い味わいの料理と合わせていただくのがオススメです。
購入はコチラから


これからの季節に、目にする機会の多くなる「ひやおろし」。その言葉の意味や、味わいの特徴を知っておけば、いざ楽しむという時に必ず役に立つはずです。

より相応しい温度、より相性の良い料理…この記事で知った知識を活かし、是非、秋ならではの日本酒を存分に堪能してみてください!