
日本酒を「水で割る」魅力。
2022/05/11
日本酒の場合、何も割らずにお猪口に注いで、ストレートでそのまま飲むのが一般的ですよね。
そもそも日本酒自体に何かを加えて「割る」といった概念があまり浸透しておらず、なかにはそんな飲み方は邪道だと思う方いるかと思います。
しかし、日本酒の楽しみ方にももっとバリエーションがあっていいはず。より美味しく日本酒を飲めるなら、それにこしたことはないですよね。
今回は、酒蔵から教えてもらった飲み方の一つ、あえて日本酒を「水で割る」ことの魅力について紹介します。
日本酒はそもそも水で割られている
日本酒は、ワインやビールなどの他の醸造酒に比べ、もともとアルコール度数が非常に高いという特徴があります。
できたての日本酒、一般的に原酒と呼ばれる状態ではアルコール度が18%~20%にもなるのです。
この状態で出荷される場合もありますが、ほとんどは「割水」と言って、酒蔵で加水(水を加えること)を行い、アルコール度数を調整してから出荷されるのです。
つまり、私達が普段飲んでいる日本酒は既に水で割られているものと言えます。
水で割るなら「原酒」がおすすめ
先ほど日本酒は既に水で割られているという話をしました。
それを聞くと、既に酒蔵の方で水を加えてちょうど良いバランスに整えられているのであれば、わざわざ水を加える必要はないのでは?という疑問を抱くと思います。
なので、今回水で割ることをおすすめしたいのは「原酒」の場合です。
原酒として出荷されている日本酒の場合、基本的にはアルコール度数が17〜18度前後と、他の醸造酒に比べて高めです。
加水していないので、芳醇で濃い味わいであることが多いです。
そういった日本酒は初めの1口目は良くても飲んでいる間に飲み疲れてしまうこともあるかもしれません。
そんな時に、水を加えてアルコール度数を15度ぐらいに落とすことで、長時間飲み続けても飽きない味わいになるのです。
はじめ原酒のままで飲んで、後で少しづつ水を加えていく。
こうやって味の変化を楽しめるのが、原酒の水割りの魅力です。
水割りからのお燗でよりまろやかに
日本酒の水割りを行う際にぜひ試して欲しいのが、日本酒の「水割り燗」です。
日本酒に水を混ぜた後、お燗につけることで、まろやかで柔らかい味わいに変化します。お燗にすることで旨味が際立つため、味が薄まる印象もなくなります。
日本酒はお燗にすることで熟成が進むため、ちょうど酒蔵で水と酒を馴染むませた状態と同じようなイメージで、日本酒に水が浸透し、その本来の味わいに近づくのです。
もちろんアルコール度数も下がり、酔いの回りもゆっくりとなるので、悪酔いも減りますよ。
軟水を使う
使用する水は「軟水」がおすすめ。軟水はなめらかであっさりと軽いため、お酒の味に影響を与えず、香りも損なわれません。
日本の水は基本的に軟水なので、浄水器にかけた水道水を使用しても問題ないでしょう。
以上、日本酒の水割りのススメについていかがでしたでしょうか。
「日本酒はアルコール度数が高いから、酔いが回りそうで飲むタイミングに迷う」という方も、日本酒の水割りを試してみてはいかがでしょうか。
日本酒の楽しみ方は人それぞれ。皆さんも常識に縛られず、色々な方法で自分だけの日本酒の楽しみ方を発見してみてくださいね。
水割りにおすすめな日本酒
【29】
「29(ニク)」は、「飛騨牛」の産地として有名な岐阜県・飛騨高山の趣ある町に蔵を構える舩坂酒造店が醸す、肉の旨みに負けないボディとコクを引き出した”肉によく合う”日本酒です。
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