
生酒..生詰め..生貯蔵..何が違う?生酒を分かりやすくご紹介!
2018/10/25
皆さんこんにちは。
皆さんは「生酒」,「火入れ」,「生詰」,「本生」,「生々」,「生貯蔵」といった日本酒の用語を聞いたことはありますか?
同じ「生」が付いてるのに、違いを説明するための用語がたくさんあり、わかりづらいですね…。
ということで、今回はこれらの単語について説明していきます !
目次
生酒(なまざけ)とは?
生酒とは、製造からお店に並ぶまで一切加熱処理(火入れ)を行ってない日本酒のことを指します。まだ日本酒が生きており、とてもデリケートです。本生(ほんなま)、生々(なまなま)とも言います。
通常は1〜2回の加熱処理(火入れ)を行って殺菌をしますが、生酒の場合はそれを一切しない状態で出荷します。
加熱処理(火入れ)とは?
日本酒を造る工程で、「加熱処理(火入れ)」という作業を行います。加熱処理(火入れ)とは日本酒の腐敗を防ぐため、熱を加えることです。火入れをしないと、火落菌という菌により、日本酒は貯蔵中に白濁して腐造されてしまうのです。
安定した製品造りには欠かすことのできない作業ですが、加熱処理(火入れ)をすることにより、味や香りが変わってしまいます。しかし流通の都合上、最低限必要な行為なのです。
普通、加熱処理(火入れ)は2回行われます。1回目は日本酒を搾った後。その状態で倉庫にて貯蔵。さらに瓶詰め直前に2回目の火入れをするのが一般的です。
一切の加熱処理をしない生酒
そのなか、一切の加熱処理をしないのが生酒です。出来立てフルーティーな味わいを楽しむことができます。ただ加熱処理(火入れ)を行ってないので大変デリケート。安定した流通と保存が難しく、一般の酒屋やスーパーでは販売出来ないため、ほとんどが地元で消費されています。
しぼりたて新酒も生酒!
毎年11月〜3月の時期に登場する「しぼりたて」の日本酒。これらは加熱処理(火入れ)せずに出荷されます。従って味わいは若く、フレッシュな爽快感があります(商品によっては炭酸ガスを多く含んだものもあります)。
「生」がつく日本酒の種類
生酒と言っても、「生酒」、「生詰め」、「生貯蔵酒」など一応「生」とは表示されているけれど、違いが分からないお酒がありますよね。
ここでのポイントは先ほど伝えた加熱処理(火入れ)です。加熱処理(火入れ)の回数によって名前が変わるのです。
通常の酒
しぼった後、瓶詰め前に2回火入れを行う、一般的に流通している日本酒です。瓶詰めした後に火入れをする蔵もあります。
生貯蔵酒
生のまま冷蔵貯蔵しておいて、出荷の瓶詰め直前に火入れするもので、貯蔵中が生なのでこの名がついています。
生詰め
酒蔵タンクに貯蔵される直前は火入れを行いますが、瓶詰めの直前には火入れしないものです。
生酒
火入れを一切行わないものです。本生、生々とも言われます。これが本物の生です。
生酒は完全に冷蔵のままで、流通させなければならない為、現在”生(なま)”と呼ばれているものの大半は生貯蔵酒です。ただほとんどの生貯蔵酒は、生の字が大きくラベルに印刷されているので、これを本当の生酒と思い込んでいる人が多いのが現状です。
生詰めや生貯蔵は、完全な生では無いため「半生」というイメージですかね。やはりフレッシュさは損なわれますが、まろみのある味わいになります。
ひやおろしも生詰め
なお秋も深まり、気温が下がってくると、瓶詰め直前の火入れをせずに出荷できるようになった「ひやおろし」というお酒が飲むことができます。ひやおろしは昔から珍重されており、この酒が生詰めと言われるものなのです。
生酒の保存方法と長期熟成酒
ここまでで、日本酒についての「生」がつく単語の意味が理解できたかと思います。それではここから、そんなデリケートな「生酒」をどのように保管すればいいのかをご説明します!
生酒は加熱処理をしていないので、低温で光の当たらない暗い場所に保管して下さい(専門店の生酒冷蔵庫内の照明が消えていることにお気づきですか?)。
生酒はまだ酵母や微生物が生きているので、高温多湿の状況下では間違いなく味は劣化します。
開封後は早めに呑み切ろう
生酒は必ず冷蔵保存。そして新鮮さが命のため、開封後は早めに飲みきるのがベストです!
美味しくてもったいなからといって保存していると劣化のスピードが早いので、新鮮なうちに飲み切りましょう。
長期保存を行うことで生まれる熟成酒
一方で賞味期限を越えても、栓を開けず保存状態が完璧であれば、美味しい酒に大変身させることも可能です。いわゆる「熟成酒」と呼ばれるものですね。
熟成酒が高価な理由はこの管理の手間にもあります。ちなみに意外と間違われやすいのが「古酒」。「古酒」というのは製造年月から1年以上経ってから出荷されるもので2年以上経っていると「古古酒」と呼ばれたりします。生酒はフレッシュな分、保存方法がとても難しくデリケートなお酒なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?加熱処理(火入れ)してない生酒は、本当にデリケートです。
そのため、普通の蔵元は予約販売か、地元のお客様にしか販売しておりません。生の日本酒だけでも、こういった違いを知っておくだけで日本酒の楽しみ方が広がりますよ。
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