
知っているようで意外と知らない!日本酒造りにおける「精米」について
2017/02/01
日本酒好きのみなさんなら、きっとよく耳にする「精米」。精米歩合(せいまいぶあい)によって日本酒の種類や味が変わったりと、とても重要な工程ですね。そんな「精米」について、今回は詳しくご紹介します。
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日本酒ができるまで
日本酒造りの工程は、大まかにこのようになっています。その各工程では「どのようなお米を使うか」、「どのようなお酒にするか」などによって調整していきます。日本酒において重要な精米歩合を左右する「精米」はどのように行われるのでしょうか。
「精米」とは
食べるお米(飯米)にも、玄米と白米がありますよね。白米は玄米を削り、ぬかを取ったものです。日本酒を造る際に使用する酒米(酒造好適米)も、玄米の外側を削ります。この工程を「精米」といいます。
酒米の場合はただぬかのみを削るのではなく、どんなお酒を造るかによって、白い部分も削ります。(「磨く」とも言います。)
※酒米は1951年以降、正式には「酒造好適米」と呼ばれております。意味するものは同じです。ここでは全て「酒米」と統一して表記していきます。
酒米とは
酒米は飯米と比べて、外観や心白の割合などに違いがあります。これにより、日本酒を造るのに適したお米になっているのです。
■外観:酒米は一般的なお米と比較して米の粒が大きい傾向にあります。精米の際、粒の小さな米だとすぐに砕けてしまうのです。
■心白(しんぱく):基本的にお米には白色不透明な「心白」と呼ばれる部分が中心に存在します。この心白には、タンパク質の含有量が少なく、また、磨いても砕けることがないよう粘度が高く、醪(もろみ)によく溶けるという性質があります。酒米はこの心白の占める割合が一般的なお米と比較して高いのです。
「精米」の歴史
はじめは木臼で精米(米搗き(こめつき))をしていましたが、江戸時代初期に精米効率のいい石臼で精米されるようになり、2代将軍徳川秀忠の時代に中国から足踏みの唐臼(からうす)が輸入されました。
1764年~1772年頃、1日23kgほどしか精米できない足踏みから、1日に2400kgも精米でき、かつ高性能な水車に切り替わりました。この時期から2割程度削れるようになりました。
日本初の動力式精米機が開発されたのは1896年、今日の酒造精米機は1930年にできました。それまでは3割程度しか削れなかったそうです。こんなに精米歩合が重要になったのは、最近なのですね!
「精米」は日本酒にどう影響する?
ではなぜ精米をするのでしょうか。理由はいくつかありますが、主に「味の調節」です。酒米の心白ではない部分のビタミンやたんぱく質、脂質が多すぎると酵母の働きを過剰に促進してしまい、出来たお酒の雑味が多くなったり、香りのバランスを崩してしまうといわれています。そこでこれらが多く含まれる米の外側を削り、なるべく純粋なデンプンを使うことがあるのです。
精米歩合とは
現在、日本酒を語る上では忘れることのできない「精米歩合」ですが、なんの割合なのか間違うことがよくあります。「玄米を削って何%の白米を使用しているか」を表した数値、つまり残っているお米の割合なんですね。
〈特定名称〉 | 〈精米歩合〉 |
---|---|
普通酒 | 規定無し(一般的に73~75%程度) |
純米酒 | 規定無し |
本醸造酒 | 70%以下 |
特別本醸造酒 | 60%以下 |
特別純米酒(純米吟醸酒) | 60%以下 |
大吟醸酒(純米大吟醸酒) | 50%以下 |
蔵元さんに聞いてみた、「精米」の難しさ
臼や足踏みの時代と比べて格段に精米がしやすくなったとはいえ、やっぱり大変なこともあるそうです。現在精米を専門業者に委託している蔵元さんが多いので、委託業者さんから聞いた話を蔵元さんにお聞きしました。
Q.精米に関して、難しいと思うことはありますか?(聞いた話でも)
(菊の司酒造・平井さん)
(滝澤酒造・滝澤さん)
——なるほど、小さくなればなるほど割れやすくなりますからね。高精白に向いているお米やそうでないものがあるんですね!
精米って今でも大変なんですね…。その大変さや使用する米粒の数がお値段にも反映されていますが、「たくさん削ってあるお米=良いお酒」という訳ではありません。味の好みは人それぞれですし、料理や場面によっても合うお酒は変わってきます。みなさんはいろんな精米歩合のお酒を飲んでみてくださいね!
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