
人々の健康と幸せを第一に。食事に合う酒造り【島根県・岡田屋本店】
2022/05/12
KURANDでは、お客さまにすてきなお酒と出会ってほしいから、日本酒をはじめとした、300種類以上のお酒を販売しています。
そしてそのお酒すべてが、日本全国の酒蔵とパートナー契約を結び、共同開発によって造られたお酒です。
今回はその中でも、日本酒「ODORI」を造る島根県、岡田屋本店の杜氏、中尾昌史さんにお話を伺いました。―まずは酒蔵の歴史を教えてください。
初代大谷嘉十郎が明治5年に醤油造りで創業し、その後、明治10年から清酒造りを始めました。
二代目嘉十郎は東京帝国大学に進み、学生時代に酒を腐らす「火落ち菌」を共同で発見し、酒造業界に貢献することになります。
三代目となった二代目嘉十郎の長男、大谷嘉助は「酒は百薬の長とも称される通り人々の幸せを願って造りつづけることが重要である」という教えのもと、日本及び日本人がますます栄えるようにと丹精を込めて酒造りに努めました。
四代目大谷嘉行は大学で醸造学を学び、当時地方の酒蔵が行っていた桶売り(小規模の酒蔵で造られた酒を大手酒蔵にノーブランドとして売ること)を一切せず、地道に地元での販売を続け、現在はその努力がさまざまな場所で評価されています。―岡田屋本店さんのお酒造りの方針やこだわりを教えてください。
当社は、古くから酒と社会、人々の健康と幸せの関係を見つめてきました。「医食同源」という言葉の通り、食と健康は重要であるという考えのもと、「食事を楽しく美味しく!」が製品開発のテーマとなっています。
香りの強いお酒ではなく、食事がすすむような味わいの酒造りを目指すことで、人々の健康や幸せにつながれば幸いです。
―岡田屋本店さんの取り組みについて教えてください。
まず、「耕作放棄地を農園にすること」です。地方の問題でもある耕作放棄地増大の歯止めの一助になればと、5年前に柚子畑を造り、栽培をはじめました。
今年から面積を3倍に広げて柚子と梅を植える予定です。収穫した果実はすべて自社リキュールの原料として使用しようと考えています。
次に「多品目少量での生産」です。現在、清酒・焼酎・リキュール・スピリッツ・甘酒類の5品目を生産していますが、多品目の商品を販売することで、広いターゲット層にアプローチすることができると考えています。
その他、社会貢献活動、海外進出などにも力を入れています。今年は海外での販売が更に増える予定で、取引国からのお客さまを益田市に呼び込むことができればいいなと思っています。
また、多くの外国人が益田市に訪れることで、地元の活性化に貢献できれば嬉しいです。―大谷さんの経歴をお聞かせください。
大学を卒業後、明治製菓(現:明治)に入社し、主に営業として12年間勤務していました。明治製菓在職中に嘉助の孫にあたる妻と結婚、岡田屋本店に入社し、現在にいたります。
学生時代は経済学部でマクロ経済を勉強していました。
大学在学中は、家庭教師・競馬場・電気店・地質調査・警備員など多岐にわたりアルバイトをしていましたが、酒造関係のバイト経験は皆無。
よって酒造りにおいては全くの素人でした。知識がない中勉強をし、近年になって焼酎・リキュール・スピリッツ・甘酒の開発に成功しました。
現在は開発の立案は私が担当し、杜氏と話し合いながら具体的なレシピを考え、製品化しています。
―大谷さんが普段日本酒を楽しむときに用意する、とっておきのおつまみはありますか。
「さきいか」です。山陰有数の港町・浜田で高級魚類の加工を手掛ける中川魚類有限会社が試作品として作ったところ、好評につき販売することになった商品なのですが、それが絶品です。
「一度食べたらやめられない」と口コミで評判となり、地元のスーパーでも販売されるようになりました。まさに「ブチうまいさきいか」です。―どうしてKURANDとお取引きすることになったんでしょうか。
きっかけはKURANDのスタッフからのお電話です。
―実際にお取引きしてみていかがですか?
コロナ禍で国内売上が減少する中、どうしたら売り上げが伸ばせるだろうかと悩んでいるところだったので、お話をお伺いしてからすぐにお取引きをお願いしました。
無名の当社に声をかけていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
―では最後にこれを読んでいる方にメッセージをお願いします。
「ODORI」は当社自慢のお酒に仕上がりました。
島根県にしかない酒米「神の舞」の味がしっかりと活きた、搾りたてのフレッシュ感、のど越しとコクを存分にお楽しみください。
(KURAND CLUB 2022年2月号 ニュースレターより抜粋)
岡田屋本店(島根県)
岡田屋本店は、島根県益田市にて明治10年に創業した酒蔵です。
以来、代表銘柄である「菊弥栄」の意味するところ「日本の弥栄を願う」を柱に、蔵人たちが日々人々の弥栄を願い酒造りを続けています。
日本酒・焼酎・リキュールほか、地元の農家と連携し、地元の特産品を活かした新しい商品作りにも力を入れており、持続可能な酒造りに向けてチャレンジし続けています。
岡田屋本店のお酒
「ODORI」
香り穏やかで、お米本来の甘みがしっかりと感じられる純米吟醸酒です。
ひとくち飲めば心も踊る、口当たりの良いふくよかな味わい。お料理と合わせてお楽しみください。