
海と山に囲まれた丹後由良で恵みを活かす京の酒造り【京都府・ハクレイ酒造】
2022/04/27
KURANDでは、お客さまにすてきなお酒と出会ってほしいから、日本酒をはじめとした、300種類以上のお酒を販売しています。
そしてそのお酒すべてが、日本全国の酒蔵とパートナー契約を結び、共同開発によって造られたお酒です。
今回はその中でも、日本酒「海京」を造る京都府、ハクレイ酒造で事業統括部長をしている小西 則明さんにお話を伺いました。―今回は京都府のハクレイ酒造さんです。まずは酒蔵の歴史を教えてください。
創業は1832年、北前船という回船業を日本海で営んでいた中西家5代目が、丹後由良で酒造りを始めました。今年で190年目を迎える歴史ある酒蔵で、日本酒が人気を博した昭和時代には私たちもたくさんの日本酒を造ってきました。
伝統の酒造りで、特に地元の皆さまにご愛顧いただいているほか、地元との新しい酒造りをテーマに、地元のお米や自社の超軟水を使った温故知新な酒造りも行っています。
3年前からは、炭酸飲料などを扱う「友桝ホールディングス株式会社」の傘下になり、今まで自社だけでは実現し得なかった種類の商品も幅広く生み出しています。―ハクレイ酒造さんのお酒づくりの方針やこだわりを教えてください。
一番のこだわりは、仕込み水です。蔵の近くに構える丹後富士「由良ヶ岳」中腹に流れる不動山水を全量使用しています。自社の採水地から蔵まで600mの距離を、京都丹後鉄道の線路の下などを経由する専用のパイプラインを通して、引き込んでいます。
水質は超軟水。京都の酒どころとしても有名な伏見でも、女酒と呼ばれる軟水を使った酒造りをしていますが、それよりもさらに柔らかい水です。通常、酒造りには難しいと言われていますが、伝統の技術によって、辛口も甘口も自在に造ることができています。
ー小西さんの経歴について教えてください。
私は京都市の出身で、以前は旅行会社に勤めていました。京都のほか、神戸、東京、広島で勤務したこともあります。
仕事柄、全国を旅することが多かったため、全国各地のいろんなお酒をいただく機会にも恵まれていました。良いお酒を飲むことで、仕事の疲れを発散できたり、仲間と良い時間を過ごせたりできるので、自分にとってお酒は昔から大切な存在です。
その後、ご縁があって2年前にハクレイ酒造に入りました。酒造りへの想いもさることながら、地方の企業が元気になるような仕事をしたいという想いがありました。
インバウンドに注力できればと考えていた矢先、コロナ禍となってしまいましたので、まずは日本全国の皆さまに向けて、良いお酒を造っていけたらと考えています。ー現在のハクレイ酒造さんの取り組みについて教えてください。
もともとハクレイ酒造は、蔵見学に来られる多くの観光客を受け入れていました。2年前には、年間約5000名ほどお越しいただいていました。
この土地は見どころも多く、丹後鉄道や日本三景の天橋立と蔵見学、蟹料理など新鮮な海の幸と日本酒などの組み合わせでお楽しみいただくことが多いです。
コロナが終息したら、観光客の方への蔵見学を再開し、お酒とその土地の魅力を感じていただけるよう、もてなしをしたいと思っています。私自身、旅行会社に長くおりましたので、訪れていただいた方を楽しませるというのは、私のミッションでもあると感じています。
ー今度の取り組みたいことや展望はありますか?
今ある商品の酒質向上はもちろんのこと、今までに無い新しい味わいのお酒も造ろうと考えています。現在は、京都で開発された新しい酵母を使った酒造りにも、試行錯誤しながら取り組んでいます。
友桝グループに加わった2018年より、長年培ってきた伝統的な技術をさらに磨き上げるとともに、新しいモノづくりにこだわっています。
お客さまに喜んでいただくことはもちろんのこと、お客さまを驚かせるような期待を上回る商品をお届けできるように今後とも研鑽を積んでいきます。
ーどうしてKURANDとお取引することになったんでしょうか。
旅行会社に勤めていた頃に、KURAND CLUBのHPを偶然拝見しておりました。そのあと、ハクレイ酒造に入ってから、偶然にもKURANDの商品開発部の方にお声がけをいただきました。
なんだかご縁を感じましたね。最初は、苺のスパークリングを一緒に造らせていただきましたが、今回は日本酒を出させていただくことになりました。
ー素敵なご縁ですね。実際にお取引きしてみていかがですか?
最初のお取引の苺のスパークリング「苺恋」については、我々地方の酒蔵では考えられないようなラベルやネーミングで、関心したのを覚えています。
日本酒でのお取組みは今回がはじめてなので、どのように感じていただけるのか、非常に楽しみです。日本酒は選び方が難しいかと思いますが、こうして楽しんでいただきながら、どんどん日本酒愛好家を増やしていきたいですね。
―では最後にKURANDのお客様にメッセージをお願いします。
京都駅から2時間、日本海が目の前に見える京都北部の土地、丹後由良。この土地でできたこだわりのお米、京都でしか使われていない、「祝(いわい)」で造ったお酒です。このお米で造ったお酒を飲んでいただけるのは、なかなか無い機会だと思います。
ハクレイ酒造の想いをお伝えしたいという気持ちで、1本1本丁寧に瓶詰めをしてお届けさせていただきます。
「海京」をきっかけに、ハクレイ酒造のお酒を楽しんでいただき、今後実際に京都へ足を運んでいただければ嬉しく思います。ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
ハクレイ酒造(京都府)
「ハクレイ酒造」は、天保3年(1832年)、田辺藩藩主に酒造りの許可をもらい、丹後由良の地で創業。
眼前に日本海、後ろには大江山連峰由良ヶ岳と、海と山にはさまれた風光明媚な砂州に位置し、由良ヶ岳の嶺(いただき)に白く雪が積もった様子から酒蔵名「白嶺」は名付けられました。
仕込み水に使用するのは、由良ヶ岳中腹に流れ出る不動の滝の水「不動山水(ふどうさんすい)」。
原料米は栽培から力を入れることで、無駄に多く磨く必要をなくし、本来の持ち味を生かすことで、丹後の気候風土を感じさせる酒造りに繋げています。
ハクレイ酒造のお酒
【海京】
「海京(かいきょう)」は京都の酒米「祝(いわい)」と、丹後に連なる由良ヶ岳の湧き清水で醸した、きめ細やかで柔らかい味わいの純米大吟醸酒です。
ふわりと広がる香りは華やかで、今日を頑張る貴方をささやかに祝ってくれるでしょう。