
味の濃いおつまみにも負けない食中酒としての酒造り【福岡県・小林酒造本店】
2022/05/31
KURANDでは、お客さまにすてきなお酒と出会ってほしいから、日本酒をはじめとした、300種類以上のお酒を販売しています。
そしてそのお酒すべてが、日本全国の酒蔵とパートナー契約を結び、共同開発によって造られたお酒です。
今回はその中でも、日本酒「宇美亀」を造る福岡県、小林酒造本店の杜氏、石藏利輔(いしくらりすけ)さんにお話を伺いました。―まずは酒蔵の歴史を教えてください。
創業が1792年、初代小林作五郎が創業してから当代の8代目にいたるまで、約230年続く酒蔵です。従業員数としては、社長を含め20人程度となっております。―小林酒造本店さんのお酒造りの方針やこだわりを教えてください。
糖類添加の日本酒は製造せず、使うお米の総量がひと仕込みあたり1トン以下の「手造り」を基本としています。
仕込み水には三郡山より湧き出る伏流水を使用、酒米には福岡県産の高精白のお米を使っています。
蓋麹(ふたこうじ)、もしくは箱麹(はここうじ)で生育する製法で、伝統的な手造りの良さを守りながら、技術向上、新しい酵母を使った多種多様な酒質の酒造りにも挑戦しているところです。
本来ならば、酵母に合わせてお米を選定するのですが、「地元産の酒米」にこだわると、お米に合う「酵母」を見つけなければなりません。
酒米と相性の良い、選りすぐりの酵母を組み合わせることによって、お酒の酸、アミノ酸、香りに変化を出しています。―小林酒造本店さんの取り組みについて教えてください。
現在、海外ではアジアを中心に取り引きが増え、一部ではヨーロッパのスペインに輸出をさせていただいています。
今後は今までの酒造りの伝統を継承しながら、酵母の生成や製造の仕方を模索し、福岡県産の原料を使いながら、時代に合ったお酒を造っていけたらいいなと思います。
1〜2年前からInstagramでの情報発信をはじめました。ひと昔前だと、新聞やCMなどのツールが主流でしたが、今は手軽なSNSが身近な情報ツールになっていると思っています。
運用は使い方に慣れている若手社員に任せていて、私たちのお酒をより多くの人に知ってもらい、身近なものに感じてもらうためのツールになっていったら嬉しいです。
―石藏さんの経歴をお聞かせください。
親戚がこことは違う場所で酒蔵を営んでいまして、幼少期から酒蔵の雰囲気に触れてきました。中学・高校のころに将来の進路について考えた時、「酒造り」というものに惹かれ、「難しそうだけど挑戦してみたい」と思うようになりました。
そして醸造学を学ぶことができる大学に進学し、醸造の勉強に励みます。
卒業後は東広島にある酒類総合研究所で2年ほど学び、その後小林酒造本店に入社し、今日まで酒造りを続けてきました。―石藏さんがおすすめする、とっておきのおつまみはありますか。
福岡県には新鮮でおいしい魚が数多くあります。ゴマサバなどの魚料理は日本酒とよく合うのではないでしょうか。
また、今回の「宇美亀」は、華やかな酸味、お米の旨みがしっかりと感じられて、スッと飲めるような仕上がりになっています。
焼き鳥や、餃子などの濃い味のおつまみに合わせても、料理に負けることなく、お酒とおつまみ両方を楽しんでいただけると思います。
―どうしてKURANDとお取引きすることになったんでしょうか。
もともと福岡の素材にこだわった酒造りを行ってきた中で、「さらに福岡県産にこだわったお酒が造れないか」とお話をいただいたのがきっかけです。―実際にお取引きしてみていかがですか?
地元産へのこだわりは今までもありましたが、今以上のものを造るにはどうしたらいいのかと非常に悩みました。
福岡県が開発した「F44」という酵母があることを知っていたので、今回採用することになり、初めての酵母でお酒を造るという新たな挑戦でした。
私自身「F44」を使ってみたいとは考えていたので、良いお話をいただけたと思っています。
―では最後にこれを読んでいる方にメッセージをお願いします。
使用する原料全てを福岡県産にこだわって、味の幅のあるお酒を目指して造りました。
食材に負けない食中酒として、楽しんで飲まれる姿を想像しながら製造しましたので、皆さんに楽しんで味わっていただけると嬉しいです。
(KURAND CLUB 2022年4月号 ニュースレターより抜粋)
小林酒造本店(福岡県)
福岡市郊外、糟屋郡宇美町の山や川に囲まれた自然に恵まれた中に蔵を構える小林酒造本店。江戸時代より220余年、現当主で八代続く老舗の酒蔵で、「旨い酒」造りを一貫して守り続けています。
福岡の厳選素材と、蔵人の卓越した技術により醸されるお酒は、地元博多っ子を中心に昔から多くの人々に愛されています。
小林酒造本店のお酒
「宇美亀」
地元の素材にこだわり、水・米・酵母すべて福岡県産を使用した正真正銘「福岡の地酒」。
手造りで丁寧に醸した、甘すぎず辛すぎないバランスの良い味わい、華やかに広がる吟醸香、キレを感じる飲み心地をお楽しみください。