
オール新潟の原材料で生み出される四季折々のお酒造り【新潟県 宝山酒造】
2022/06/23
KURANDでは、お客さまにすてきなお酒と出会ってほしいから、日本酒をはじめとした、300種類以上のお酒を販売しています。
そしてそのお酒すべてが、日本全国の酒蔵とパートナー契約を結び、共同開発によって造られたお酒です。
今回はその中でも、日本酒「酒を売る犬 酒を造る猫」を造る新潟県、宝山酒造の営業、若松秀徳さんにお話を伺いました。
―まずは酒蔵の歴史を教えてください。
新潟市にある酒蔵で、2022年に創業137年を迎えました。岩室温泉という温泉街に面しています。
近くは山脈地帯で、水がとても美味しい地域です。
お酒の仕込みは、20代~50代の計4人で行っていて、少数精鋭ですね。―宝山酒造さんのお酒造りの方針やこだわりを教えてください。
過去には他県産のお米も使っていましたが、今年から新潟県産のお米を使っています。その他の材料も全て新潟産にこだわり、「オール新潟」でお酒造りをしています。
日本酒は、冬はしぼりたて。春だったら春のお酒、夏は夏のお酒、と季節によって味わいが違います。
ですので、その時々の食事や四季折々の楽しさと合わせていただけるように、ということを大切にしています。
「宝山酒造はこの味わい」ということより、通年でいろんな味わいを演出できたらいいな、と考えています。―若松さんの経歴をお聞かせください。
次期蔵元杜氏の渡邉とは東京農業大学で同級生でした。
彼から「将来一緒に働こう」と、在学中に声をかけられ、その時に「いいよ」と答えてはいましたが、まずは卒業後、渡邉は他の酒蔵で修業を始め、私はワインの専門商社に就職しました。
その後、私は飲食店勤務を経て、改めて「やっぱり酒造りがしたい」という気持ちが溢れ、「あの時の約束果たそうよ」ということで、渡邉の修業が終わったタイミングで宝山酒造へ来ました。―プライベートでもお酒は飲まれますか。
ほぼ日本酒ばかりを飲んでいます。4合瓶(720mL)を3~4日で空ける程度ですね。
家飲みの際には、以前宝山酒造で販売していた大きなグラス(100mLくらいのもの)を愛用しています。―おすすめのおつまみはありますか。
私は、あられなど米菓で飲むことが多いです。
意外と合うのが「ぬれせんべい」で、醬油の味が濃く日本酒に合うのでおすすめです。
―「酒を売る犬 酒を造る猫(通称:犬猫)」についてお聞かせください。
杜氏の渡邉と私の「友達と造ったお酒」ということで、「大切な友と呑み交わす酒」をブランドコンセプトにした日本酒です。
通常日本酒では、品質を保つために「火入れ」という加熱処理を2回行うのですが、新鮮さと美味しさを追求して、「犬猫」では1回にして瓶で貯蔵しました。
最初は貯蔵している1年後の予想が立たず、「どんな味になるんだろうか」という不安もありました。
造りはじめて5年、酒蔵のクセも活かしながら毎年ブラッシュアップしています。
ありがたいことに仕込む量が増えてきているので、多くの方に楽しんでいただけるようになってきたな、と実感しています。
―おすすめの飲み方はありますか。
しっかり冷やして飲むのがおすすめの日本酒で、味の濃い料理よりは海鮮系などのさっぱりした料理が合うと思っています。
酒器は、飲みやすさを重視した背の高いストレートグラスがおすすめです。
お酒を好きな人全員に飲んでいただきたいですし、その際にはぜひ皆さんの友達と一緒に飲んでいただけたら、と思います。
―これからの宝山酒造について展望を聞かせてください。
犬猫では、日本酒が初めての方や甘口好きの方を思ってデザート酒も造りはじめました。
また、今後は日本酒だけでなく「地のもの」を使ったお酒造りをしていきたいと思い、リキュールの製造免許も2021年に取得しました。
今後は地元の農家さんとタッグを組んで、新潟産のブルーベリーやキウイ、かぼちゃなどといった果物や野菜を使ったお酒も一緒に造っていきたいと思っています。
それから、酒米ではなく、「こしひかり」や「こしいぶき」など、食べるためのお米を使ったお酒造りも引き続きやっていきたいですね。―最後にこれを読んでいる方にメッセージをお願いします。
お酒は楽しく飲むのが一番だと思います。ひとときの楽しみを味わってみてください。
ただし、ほどほどに(笑)。
宝山酒造(新潟県)
越後一宮にある彌彦神社近くの地で、明治18年に創業。
地元の材料を大切に、大量生産はせず四季折々の味を楽しめるよう心を込めて新鮮な酒造りをされている酒蔵です。
近年では、200mLと小ぶりな「ひと飲み酒」など、宝山酒造を知ってもらうきっかけに、そしてプレゼントにも使ってもらえるようなおしゃれな瓶のお酒も人気です。
宝山酒造のお酒
【酒を売る犬 酒を造る猫】
大学の同級生であった杜氏の渡邉さんと営業の若松さんを、可愛らしい犬と猫に見立てて描かれたラベルも大人気の商品です。
味はもちろんのこと、名前の由来となったストーリーも一緒に楽しんでいただけるお酒になっています。