
第二回「The Game」【正解発表】
2021/11/01
いつもKURANDをご利用いただきありがとうございます。
今回の記事では、2021年9月16日(木)~ 9月26日(日)にかけて販売していた唎酒ゲーム企画「The Game -高価なお酒はどっち?-」をご購入いただいた方を対象に、出題した問題の「答え合わせ」を行います。
まだお酒が残っている方は、飲みながら確認するのもおすすめですよ。
【メイン問題】
当企画のメインの問題は、「Aの日本酒」と「Bの日本酒」、どちらがより「高価なお酒」かを当てていただくというものでした。
また、ブラインドラベルにてお届けした2本のお酒が、それぞれKURANDオンラインストアのどのお酒なのか、その正体も公開します。
正解発表の前に、まずはこちらの回答分布をご覧ください。今回は「The Game - B」がより高価なお酒であると回答した方が多かったようです。回答がほぼ半数で割れていますので、なかなか難しい問題だったかもしれません。
では、いよいよ正解を発表します。答えを見たい方だけ、下にスクロールして続きをご覧ください。
正解発表
高価なお酒は
「The Game - B」です。
見事正解された方、おめでとうございます。この問題の正解者の方から抽選で1名様に「KURANDオリジナル冷感平盃」 をプレゼントいたします。
当選者の方には、「The Game」のご購入時にご登録いただいたメールアドレスに当選通知をお送りさせていただきますので、お楽しみにお待ちください。
以下、上級問題も含め、それぞれの正解発表と、ポイントを解説していきます。
① 高価なお酒はどっち?
正解は「The Game - B」でした。ポイントは、どのような要素がお酒の価格に影響するのかをイメージすることです。
後の問⑤にも関わりますが、基本的には「精米歩合」の数字が低いほど、より高価な日本酒になります。「綺麗で軽やかなボディ」が特徴です。
精米歩合とは、玄米からお米の表層部を磨いて (削って) 残った割合を示します。数字が小さいほど、よりお米を磨いているということです。お酒を造るのにより多くのお米が必要になるため、お米を磨けば磨くほど、お酒の価格も高価になることが多いのです。
お米は外側ほど「味」のもとになる成分が多いので、お米を磨くほど外側部分が削られて「綺麗」で「軽やか」な日本酒になります。香りも「華やか」に感じやすくなります。
ちなみに、他の要素として長期熟成酒などのいわゆるヴィンテージのお酒も高価になることが多いです。ウィスキーや紹興酒を思わせるほどの濃い色調が特徴ですが、今回のお酒には当てはまりませんね。
②「The Game - A」の、火入れの有無は?
上級問題の1問目は、ひとつめの選択肢「あり (火入れ酒)」が正解です。
「生酒」とは、加熱処理(火入れ)を一度も行ってない日本酒のことを指します。通常は製造の過程で1〜2回の加熱処理(火入れ)を行うことで、酵母の活動を止めて品質を安定させます。「The Game - A」は、2回の加熱処理をしたお酒です。
生酒の場合は一度も加熱処理を行わない状態で出荷します。できたて近いフレッシュな味わいが特徴です。一方で、デリケートな酒質のためしっかりした冷蔵管理が必要です。ちなみに、今回は「The Game - B」が生酒なので、比較してみると面白いかもしれません。
「火入れ酒」は落ち着いた味わいが特徴です。品質も味わいもしっかり安定して、狙い通りの美味しさをお届けしてくれます。生酒にも火入れのお酒にも、それぞれの良さがあるのです。
③「The Game - B」の、加水の有無は?
この問題の正解は、ひとつめの選択肢「あり(加水あり)」でした。
日本酒造りにおいては、アルコール度数を調整や味わいのバランス調整のために「加水」という作業があり、綺麗なお水を加えます。この「加水」を行わない、水を加えられていないお酒のことを「原酒」と呼びます。
加水したお酒の良さは、バランスの良さと飲みやすさです。一方で、原酒はお酒本来の味わいをそのまま届けたいときに、加水をせずにそのまま出荷された日本酒です。しっかりとした味わいを感じやすいのが特徴です。
どちらにもそれぞれの良さがありますが、今回の「The Game - B」は加水をしたお酒です。アルコール度数が14度と、日本酒としてはやや抑えめなのも特徴的ですね。一般的に日本酒のアルコール度数は15~16度のものが多く、これより高い場合は、加水をしていない「原酒」であることが多いです。
ちなみに「The Game - A」も加水ありのお酒。アルコール度数は15度です。
④「The Game - A」の酸度は?
正解は、ひとつめの選択肢「1.4 ~ 1.6 以上」でした。「The Game - A」の酸度は「1.7」と、平均基準よりやや高めになっています。
酸度とは、日本酒に含まれる有機酸の量を表す数値です。日本酒にはリンゴ酸やコハク酸、乳酸に代表されるたくさんの有機酸がふくまれており、それらは豊かな「味わい」をもたらします。酸というと「すっぱい」イメージですが、実際には昆布や鰹節のような「旨味」の要素もあるのです。
この数値は「1.4 ~ 1.6」のあたりが平均とされており、これより高いと味がしっかりした日本酒に感じやすく、低いと淡麗で軽やかに感じやすいです。
ちなみに「The Game - B」の酸度は「1.5」と、ちょうど平均基準の数値です。比べてみると「The Game - A」のほうが、ボディがしっかりした強い味わいに感じるかと思います。
⑤「The Game - B」の精米歩合は何%?
正解はみっつめの選択肢「50%」です。
問①でも開設した精米歩合は、原料のお米をどれくらい磨いたかの割合を示します。「精米歩合50%」とは、お米の外側から50%を磨ききって、内側の50%部分だけを原料に使用してお酒を造っているということです。
精米歩合60%以下(原料のお米を少なくとも外側から40%以上磨いている場合)で「吟醸」を名乗ることができるようになり、精米歩合50%以下(原料のお米を少なくとも外側から50%以上磨いている場合)で「大吟醸」を名乗ることができるようになります。
今回のお酒では、「The Game - A」は精米歩合60%なので吟醸酒(純米吟醸酒)で、「The Game - B」は精米歩合50%なので大吟醸酒(純米大吟醸酒)ということです。ちなみに「純米」は、原料が米・米こうじ・水だけの場合に名乗ることができます。
⑥どちらのお酒がお好みでしたか?
こちらの問題には、正解はありません。結果もちょうど半分に割れました。その日の気分やおつまみとの相性も感じつつ、様々なお酒との出会いをお楽しみいただけましたら幸いです。
⑦ステーキに合わせるなら、どっち?
この問題にも正解はありませんが、今回の投票結果は偏りました。純米大吟醸酒であり生酒である「The Game - B」の爽やかで瑞々しい口当たりが、ステーキの油を優雅に流してくれる。そんなイメージを持たれたのかもしれません。もちろん「The Game - A」のキレのよい辛口テイストも、ステーキとよく合うと思います。
「The Game」のお酒の正体は?
最後に、今回の企画で使用したお酒「The Game - A」と「The Game - B」はどのお酒だったのか、その正体を公開します。
「The Game - A」は「近江CLASSIC DRY」、「The Game - B」は「幻の酒米を復活させた僕の物語を知ったら、君は何を想うだろうか。」というお酒がもとになっています。
どちらも滋賀県の「福井弥平商店」さんが造るお酒で、オンラインストアで好評販売中の日本酒です。答えを確認しながら飲み比べることで、また新たな発見があるかもしれませんね。
正解発表は以上です。
改めまして、この度は、飲んで学べる利酒ゲーム企画「The Game」にご参加いただき誠にありがとうございました。先入観なく真剣に日本酒を飲み比べるという体験が、日本酒の世界の更なる奥深さや面白さを感じてもらうきっかけになりましたら嬉しいです。