STORY
混じりけのない1樽に
熾火の如き情熱を閉じ込めて
モルトウイスキーの熟成において、王道とされるのはバーボン樽やシェリー樽。そんな中、今回、職人が選んだのは管理が極めて難しく、個性が強い「赤ワイン樽」でした。数ある樽の中から、シングルカスクとしてボトリングするに値する一樽を見出すのは、まさに奇跡との出会い。シングルカスクだからこそ、樽の呼吸までがダイレクトに伝わる。赤ワインの記憶を宿し、紅を帯びた琥珀色は、派手な炎が落ち着き、最も高い温度を芯に宿した「熾火(おきび)」のように、静かに、けれど圧倒的な熱量を放つのです。
低温蒸留によって引き出した
モルト原酒の底力
鹿児島・横川の地で80年以上、焼酎をはじめとした蒸留酒づくりに心血を注いできた「霧島横川蒸留所」の職人たち。その「匠の技」を活かし、「シングルモルト」という境地へ挑みました。発酵の段階では独自の乳酸菌による発酵を経て生まれた繊細な果実のような香りを生成。低い温度での長時間蒸留により、香りを守りながらも雑味を削ぎ落とします。時間を捨てて質を得る。その献身的なつくりこそが赤ワイン樽の熟成を一点の曇りもなく受け止める、清らかなモルト原酒をつくりあげるのです。
霧島山系が生み出す「蒼き水」
標高300mの地が生む奇跡の味わい
仕込み水は、霧島山系の麓から湧き出る天然水「蒼き水」。タンクを満たせば青く輝くほどの透明度とミネラルが、原酒に滑らかな質感を与えます。南国の地の中、通常の倉庫より2倍以上の断熱材が入った熟成庫にてゆっくりと深く濃密に熟成を進めました。ナッツのような香ばしさや麦の穀物感、ウッディな香り、赤ワイン樽由来のベリー系のニュアンス……。そこにアルコール由来の甘みが重なり合い、まるで高級チョコレートのような濃密な余韻を深めます。霧島の山々と匠の執念が共鳴した、奇跡のような味わいをご堪能ください。