STORY
第一章:スコットランドから海を越え
旅するモルトウイスキー
ウイスキーの銘醸地・スコットランド。世界5大ウイスキーの伝統ある地で、ひとつのモルトウイスキーが育まれた。孤高なる1本を求めて、バーボン樽の中で3年にわたり静かに時を重ねました。その原酒はある日、日本の神戸へと運ばれます。そうして蔵にて眠っていたバーボン樽の中で、さらにもう1年の眠りにつくのです。すべては唯一無二のウイスキーとして生まれ変わる、目覚めの瞬間を夢見て……。
第二章:沖縄の地が育んだ
ふたつめのウイスキー
そのころ、遠く南の地・沖縄ではあるウイスキーが熟成を迎えていました。長年泡盛づくりをしてきた酒蔵では、その技術を活かし、低温発酵を用いて香り高く、まろやかな味わいのウイスキーをつくりました。熱帯の気候が冷涼な気候の地よりも短期間で熟成を加速させます。2年の熟成により、ライスウイスキーはバニラやハチミツのような甘い香りとお米由来のまろやかさが感じられる味わいが宿るのです。
第三章:神戸で交わり
唯一無二の1本へ
香り豊かな原酒たちは、神戸の地でひとつに重なります。英国モルトの深み、バーボン樽の甘い余韻、南国で育ったライスウイスキーは、フルーティでやわらかな個性を纏って。職人の手によってまとめ上げられたブレンドは、口に含むごとに、変化する味わいを描き出します。はじめは樽香とともにすっと広がるキリッとした輪郭。やがて、バニラ、アプリコット、パイナップルの香りが静かに立ちのぼる。それは、3つの土地が織りなす、唯一無二のウイスキー。この1本に、すべての物語が宿っています。