STORY
始まりはちょうど50年前、
酒粕焼酎からはじまった。
「神響 shinkyo 50年」の歴史は1974年にまで遡る。愛媛県四国中央市にある酒蔵「梅錦山川」で、酒粕を原料にした焼酎がつくられた。今や幻といわれるまでになった兜(かぶと)釜を使った蒸留方法を採用。酒蔵にあった酒粕を「せいろ」に広げ、兜窯より生じる蒸気で蒸す。その蒸気を集め再度蒸留。手間のかかる作業を幾度も繰り返し、「酒粕焼酎」を生み出した。
好奇心と夢を頼りに、
人々は「その時」を待ち続けた。
蔵の人々は、完成した焼酎をすぐには商品化しなかった。なぜなら、焼酎は長く寝かせるほど、奥深い香味とやわからな味わいが生まれるということを知っていたから。「この見事な仕上がりの粕取り焼酎を熟成させることで、どんな味わいや香りが生まれるのだろうか」。ただひたむきにその味わいや香味を想像しながら、来る日も来る日も耐え忍ぶこと50年。2024年、ついに幻となっていた熟成酒が、世に放たれる。
50年の時を経て、
人智を超えた味わいが紡がれる。
グラスへ注ぐと広がるのは、酒粕由来の甘さと燻したもみ殻を思わせるふくらみのある香りを融合させたビターな芳しさ。50年という熟成年数によってもたらされた柔らかな口当たりが、30度以上のアルコール度数を忘れさせるほど滑らかに口内に広がる。そして圧倒的な存在感を見せる、凝縮されたお米由来の奥ゆかしく芳醇な旨み。「時間」という人智を超えた力が紡いだ神秘の味わいが、貴方の舌に鮮烈な記憶を刻み込む。