気になるけど、誰に聞けばいいか分からない。そんな“お酒にまつわるギモン”にクランドのスタッフが答える連載「お酒のギモンQ&A」。
疑問は、クランド好きが集まるコミュニティサイト「クラフト酒研究所」で募集。いただいたものの中から1つをピックアップしてお届けします。
第2回目となる今回は「お酒の“常温”って何度?」「夏と冬ではどう変わるの?」といった温度にまつわる素朴な疑問に、スタッフのはじめが答えます!
登場人物
質問:夏と冬で飲む常温って同じなの?
「赤ワインは常温で飲むと良い」「辛口の日本酒は常温がおすすめ」などよく言われますが、夏と冬では常温の温度が全然違いますよね。実際に味わいも変わるので、ベストな常温を楽しむための方法があれば教えてください!
そもそも、「常温」って何℃のことなんでしょうか? 夏と冬だと部屋の温度も違いますし、味わいも変わる気がします。
お酒でいう「常温」はだいたい25℃を中心に±5℃くらいのことを指します。平均的な「室温」と同じくらいの温度帯ですね。季節で変わる感覚はありますが、室内であれば空調のある環境ではそこまで大きくブレません。
ちなみに最近だと暑い季節が続いていますが、常温可って記載のあるお酒とかも外に出しっぱなしにしておいていけるものなんですか?
できれば避けたいですね……最近だと40℃とかの暑さになってくるので、出来るだけ冷蔵庫には入れてほしいというのが率直な気持ちです。ただどうしてもっていう場合は、光の当たらない冷暗所ならそんなに暑くはなりにくいとは思いますよ。
なるほど。そういえば日本酒は光に弱いっていう話も聞きますよね。蛍光灯とかLEDとか光のタイプとかも気をつけたほうがいいものはあるのでしょうか?
太陽光はもちろんですが、光の影響で品質が変わってしまうことにはなります。そういった意味でも、保管場所は「光の当たらない場所」を絶対条件にしてほしいです。
「常温」に持っていく方法
常温になっているかどうかって、確かめる方法はあるのでしょうか?
確実なのは料理用温度計(中心温度計)を使えば、かなり正確に測れます。グラスに注いだお酒に刺して測るのもOK。20〜25℃を目安にしてみてください。
ちょっと面倒かも……もっとお手軽な方法ないですかね?
ちょっと面白いやり方ですが、竹串やお箸をお酒に10秒ほど浸してから、あごあたりや手首に当ててみてください。 「ひんやりしすぎない」「体温と近いな」と感じたら、常温(20〜25℃)に近づいています。お肉の“火入りチェック”と同じノリですね(笑)。
それなら手軽ですね!あとはどのように最適な常温の状態に持っていくかってところなんですけど……例えば冷蔵庫でキンキンに冷やしておいた日本酒を常温に戻したい時の方法ってあるんですか?
いろいろありますが、ぬるま湯につける方法が一番早くて確実です。35〜40℃くらいの「お風呂くらいの温度」のお湯に、ボトルごと10分くらい浸せばちょうどよく戻ります。
それも、めんどくさい人はどうしたら……?(笑)
量が少なければ早く常温に戻ります。飲む分だけ注いだら、室温で30分〜1時間くらい放置しておく。これだけですね。

じゃあ逆に、常温のお酒を一気に冷やしたいときは?
ビール好きの中では鉄板ですが、「氷水+塩」で一気に冷やすのが最強です!大きなボウルに氷と水を入れて、塩をたっぷり振ってボトルを回す。これで数分でキンキンになります。
ちなみにずぼらなので冷凍庫で急速冷凍させて……なんかも考えちゃうのですがダメですかね?
ダメです!瓶が割れる危険があるので、冷凍庫での急冷は絶対にやめてください。
▼常温で楽しむ日本酒
▼キンキンで楽しむビール
温度によって、味や香りはどう変わる?
いろいろ言いましたが、おすすめの温度は気にせず自分に合う温度をいろいろ試してほしいというのが正直なところです。おすすめの温度はあくまでおすすめであって絶対ではありません。「こう飲まなきゃいけない」ではなく、自分がおいしいと思える飲み方を見つけてほしいと思っています。
たしかに、お酒も温度ごとに表情が変わるとよく言いますよね。
そうなんです。ここからは余談ですが、 冷たければ冷たいほど、塩味を感じやすかったり、温度が上がると香りが立ってきて、香りの変化を楽しめるとか。あと例えば甘さは冷たい状態や熱い状態になると感じにくかったりします。結構甘く加糖したミルクも、温めると割と飲めたりするじゃないですか。なので、とことん甘くしたいって時は常温に近づけるのがおすすめです。
なるほど、例があるとイメージしやすくなりますね!
そういうことです!
ちなみに自分の好みの温度帯を見つけるコツってありますか?
まずは基本の温度で飲んでみて、ちょっと冷やす/ちょっと温めるを繰り返してみてください。そしてどう違うかメモして、試してみる。そうして自分の「流派」を見極めるんです!
なるほど、温度帯も「流派」だと……奥が深いです。
「ぬるめが好き」「とにかくキンキンが好き」など、自分なりの指標ができると、お酒選びも楽しくなりますよ。いろんな温度帯を試して、お気に入りの「マイ温度」を見つけてみてください!
自分の好みの温度を見つけて楽しもう
今回は「常温」やお酒の温度帯についてご紹介しました。 はじめが言うように温度を変えることで、お酒の見え方もどんどん変わります。ぜひ是非自分の温度の流派を見つけていってみてください。
流派探しに悩んだ際は、はじめも協力してくれるとのこと。 ぜひ興味を持ってくださった方は、今回の質問募集も行ったクランドのコミュニティサイト「クラフト酒研究所」へお越しください!
