毎月1回部員が集まり、クランドのお酒のアレンジや美味しいおつまみの楽しみ方などを探して、実験をしています。その実験結果をマガジンを通して発表していきたいと思います!
初回は今の時期にピッタリの「熱燗」がテーマです。クランドのたくさんある日本酒を、温度帯まで細かく分類しながら実験していき、「これは熱燗がおすすめ」という1本を探していきました。
お燗の簡単な作り方
熱燗というと、「専用の酒燗器を用意して、温度計でしっかり測って…となんだか大変そう」と思われていませんか?実は家にあるお鍋や電子レンジで簡単にで来てしまうんです。湯煎と電子レンジ、それぞれの熱燗の仕方をお伝えします。
【湯煎編】
①徳利など高さのある器にお酒を注ぎ、ラップをかける。
②鍋でお湯を沸かし、沸騰したら火を止める。
③鍋に徳利を入れ、好みの温度帯になったらふきんなどを巻いて取り出す。
酒燗器と同じように、温度帯を見ながら調整できるのは湯煎の醍醐味ですね!
【電子レンジ編】
①徳利など耐熱の容器にお酒を注ぎ、ラップをかける。
②好みの温度になるまで電子レンジで温める。
③1分ほど休ませてから、火傷に注意して取り出す。
徳利などがなくても、手軽に温められるのが電子レンジのよさです。ただ、温度の確認ができないのが難点なので、下記表を参考に狙いの温度帯まで温めてみてください。
温度 | 人肌燗(35℃) | ぬる燗(40℃) | 熱燗(50℃) |
温め温度(500W) |
1分 | 1分10秒 | 1分30秒 |
実験部では大まかに35℃、45℃、55℃の温度帯で飲み口が変化していくかを試してみました。ここからは実際に社内で好評だったお酒とおすすめの温度帯をお伝えします!
熱燗といえば、この1本「桑蛤(くわはま)」
はまぐりを知り尽くした酒蔵が、貝類専用に酒質設計をした「桑蛤」。原料米に使用した神の穂の特徴であるすっきりと優しい旨みと、天然の乳酸による酸味がもたらすキレが特徴の、素材の個性を引き出す濃醇辛口の純米酒です。
【おすすめ温度帯は”55℃”】
社内でも「熱燗といえば」というほどに評判の高い「桑蛤」。温めるほどにその魅力を遺憾なく発揮します。45℃でもさっぱりとしつつ、膨らみの感じられる味わい。65℃まで上げても、余韻が長く伸びていきます。思わず「旨い」と言いたくなってしまう、そんな日本酒です。
旨み膨らむ「因幡を愛しすぎて伝説の酒米を復活させてしまったうさぎ」
復活栽培させた「強力(ごうりき)」で醸す、旨味溢れる日本酒。口の中にふわりと広がる、ふくよかなお米の旨みと優しい飲み口を、蔵人の想いに心を馳せながら、じっくりとお楽しみください。【おすすめ温度帯は”45〜55℃”】
濃醇辛口で常温でもしっかりお米の旨みを感じられる特別純米酒。35℃で穏やかに香りの膨らみを感じられます。こちらも温めれば温めるほど味わいが膨らむ日本酒です。45℃から55℃まで、旨みの膨らみを存分にお楽しみください。
冷酒と燗酒で、異なる表情を見せる「理系兄弟」
「理系兄弟」は、母の後を継いだ薬剤師の兄と、遺伝子レベルで免疫を研究していた杜氏の弟という、日本一理系な兄弟蔵元が、綿密な酒質設計をもとに造った日本酒です。【おすすめ温度帯は”45℃”】
フルーティで冷が美味しい理系兄弟ですが、意外にも温めることでその隠れた魅力を発揮する日本酒でもあります。35℃程度だとまるで桃のようなフルーティな香りが立ち上り、45℃まで上げるとキレが良くなりました。温度帯で異なる魅力、ぜひ飲み比べてみてください。
今だからこそ楽しめる、燗酒体験を
実験の中で高評価を得た3本をピックアップしてご紹介しました。この3本はもちろんですが、ぜひ日本酒がお手元にある方は、常温や冷酒だけでなく、「お燗」も試してみてください。 予想外の味わいとの遭遇など、新しい発見があるかもしれません。