「お酒の味わいや香りを変化させる炭酸水があるらしい」500種類以上のクラフト酒を販売するクランド。
こう聞くと、さまざまなクラフト酒との相性を確かめてみたくなってきます。
まずはその真相を探るべく、クランドスタッフが開発元の会社で話を伺ってきました。
今回お話をしてくれたのは
サントリー食品インターナショナル株式会社 商品開発部飯見 勇哉さん
この度、お酒に合う炭酸水を開発したとお聞きしましたが、本当でしょうか?
「本当です!コロナ禍を経て、家庭で消費される炭酸水のボリュームは増えています。加えてコスパがいいこともあってか、コロナ前と比べても割り材の需要って年々増えてきているんです。ですが、市場の商品ってどうしても似通ってきてしまって……。炭酸水はいつものでいいやになりがちです。そんな状況の中で、どんな価値を炭酸水につけてあげればいいのかというのをチームで徹底的に議論しました。」「そこで弊社では思い切って既存のサントリー天然水 THE STRONG、サントリーソーダのラインアップを見直し、リニューアルを図ることにしました。そうして出来たのが、こちらの『サントリー 天然水 SPARKLING』です」
これまでの炭酸水と何が違うんですか?
「元々炭酸水の商品開発では、【刺激の強弱】が大きな価値軸でした。新しい炭酸水を考える上では、そのほかの価値軸をどのようにつくるかが重要でした」「チームで話し合う中でこだわりたいと考えたのが【泡の質】や【泡の細かさ】。ここを追求することで、高密度できめ細かい泡感を感じられ、『いつもと違う』刺激を実感できるように商品を開発しました」
追求した【泡の質】とは具体的にどんなものなのでしょうか?
「質の面でこだわったのは、きめ細かい泡の体感でしょうか。従来の炭酸水が舌先でバチバチと大きな泡が弾けるような刺激とすると、新商品は細かい泡が弾けて、喉の奥でも爽快な刺激を感じられるイメージです」「もちろん飲んだ瞬間の炭酸の強さも感じることができます。こうしたきめの細かさを【高密度】と表現し、最終的には【高密度・強刺激】というキャッチコピーにたどり着きました」
その先に、お酒の香りや味わいに変化をもたらすヒミツが隠されているのでしょうか?
「はい。今回主に入れているミネラル分が、【カリウム】と【マグネシウム】の2つです。このミネラルのバランスを調整することによって、お酒を割った際に本来の香り立ち・味わいを楽しめるように設計開発しました」お酒の香りが立つタイミングは、決まっているんですか?
「大きくはお酒を割った際です。香り立ちは温度にも依存しているので、口の中に入れた瞬間も温かくなって香りが広がると考えられます。香りの出方は、割るお酒などによってもタイミングが少し違ってくるようです」また「刺激が長持ちする」というのも本当ですか?
「ハイボールをつくろうと氷を入れたグラスに炭酸水を注ぐと、氷の表面から泡が発生して抜けやすくなるっていうのは、どんな炭酸水にもあることなんです。その中で、効いてくるのがミネラルの量・バランスの調整です」「物理的には氷に当てれば泡は抜けるのですが、ミネラルの量・バランスは変化しません。従来の炭酸水だと物理的な泡とともに炭酸感も抜けていくのですが、新商品では物理的な泡は減りつつも、ミネラルによって感じられる刺激が残るように設計しました。そのため、体感としての刺激が長持ちするように感じられるんです」
「いろいろとお話をしましたが、とにかくまずは【試してほしい】です!今までの炭酸水と飲み比べてみることで、もっとも違いを感じていただけると思います」
実際にクランドのお酒で試してみた。
そこまで言われると、会社に戻ってすぐに試さないといられません。次回の記事では、実際にクランド社内で実験をしてみた様子をお伝えします。