部屋の明かりを落とし、小さなキャンドルに火を灯す。
そんな一日の終わりの、誰にも邪魔されない時間に、寄り添ってくれるお酒ができました。
商品企画担当のりーぬです。
今回は、シングルモルトウイスキー「熾 -oki-」についてお話しさせてください。
派手な炎ではなく、内なる熱を宿す「熾火」のように
ウイスキーの熟成といえば、バーボン樽やシェリー樽を使うのが王道とされています。
けれど今回選んだのは、個性が強く管理が極めて難しい「赤ワイン樽」でした。
たくさんの樽が並ぶ中から、たったひとつの樽だけを見つけ出す。
それは、途方もない偶然が重なり合った、奇跡のような出会いです。
ほかの樽の原酒と混ぜ合わせることはしていません。
シングルカスクだからこそ、樽自身の深い歴史と個性が、ダイレクトに伝わってくるのです。
ふわりと漂うのは、赤ワインの記憶を宿したベリー系のニュアンス。
そして、大麦の力強さが交わり合うことで生まれる、カカオのような重厚な余韻。
紅を帯びた美しい琥珀色は、激しく燃え盛る炎ではなく、もっとも高い温度をその芯にじっと秘めた静かな炎「熾火(おきび)」のようです。
時間を惜しまずに向き合う。「蒼き水」が導く奇跡
このウイスキーを手がけたのは、鹿児島・横川の地で80年以上にわたり焼酎をつくり続けてきた酒蔵「霧島横川蒸留所」です。
長年培ってきた匠の技を、ウイスキーという新たな境地に注ぎ込みました。
独自の乳酸菌を用いた発酵が、繊細な果実の香りを引き出す。
そして、低い温度で長い時間をかけて蒸留することで、香りを守りながらも雑味を美しく削ぎ落としていきます。
効率を求めず、ただひたむきに質と向き合う。
その実直さと、霧島山系から湧き出るミネラルたっぷりの「蒼き水」が、赤ワイン樽の個性を一点の曇りもなく受け止める、清らかな原酒を生み出しました。
暖かな気候の中、ひんやりとした熟成庫で静かに眠りについたお酒は、ワインのようでありながら、確かなウイスキーとしての誇りを持っています。
その揺るぎないアイデンティティは、静かな炎をあしらったラベルのデザインにも込められています。
一期一会の出会いを、あなただけの特等席で
赤ワイン樽でじっくりと熟成されたウイスキーは、市場でも滅多に出会えない貴重な存在です。
たくさんの手間と途方もない時間をかけて、ようやく目覚めの日を迎えた特別な一樽。
一番良い状態で、この奇跡の味わいをご縁のある方へお届けしたい。
そんな思いから、今回は限られた数のみのご用意となり、抽選販売という形でお手元にお届けすることになりました。
傍らには、すこしビターなチョコレートをひとかけら。
揺れるキャンドルの炎をぼんやりと眺めながら、グラスをゆっくりと傾けてみてください。
赤く輝く琥珀の滴が、明日という日を少しだけ待ち遠しくしてくれます。