商品企画担当のいそがいです。
濃紺のベースに、和の趣を感じる幾何学模様。
モダンでありながら、どこか落ち着きのあるたたずまいのボトルを前にすると、自然とグラスを用意したくなってきます。
ふたつの原酒が重なり合ったブレンデッドグレーンウイスキー、「織刻 -ORIDOKI-」についてお話しします。
海を越えて出会う、運命のような奇跡
ひとつは、遥か遠くスコットランドの地で、3年ものあいだ静かに眠り続けてきたウイスキー。
冷涼な空気のなかで、小麦とトウモロコシがゆっくりと熟成の時を重ねてきました。
もうひとつは、日本の清流・球磨川の澄んだ伏流水を使い、伝統の技で醸されたお米のウイスキー。
まったく異なる場所、異なる風土で育まれたふたつの原酒が、ひとつのグラスのなかで出会う。
その見えない糸で引かれ合うような事実に、静かなロマンを感じずにはいられません。
異なる環境で生まれた個性をひとつにまとめるのは、ひどく難しいことのように思えます。
けれど、酒蔵から届いた最初のひとくちを味わったとき、その見事な調和に息を呑みました。
たった一度の試作で生まれた、奇跡のようなバランス。
熟成がもたらす驚くほどマイルドな円熟味に、お米由来の繊細で柔らかな甘みが、まるで最初からそうなる運命だったかのように、寄り添っているのです。
和菓子とともにほどける、心安らぐ夜
繊細で甘やかなこのウイスキーには、きっと上品な和の甘味が似合うはず。
一口含めば、小豆の優しい風味がウイスキーの円熟味と絡み合い、口のなかで静かに溶け合っていきます。
驚くほどスムースな飲み口は、和の繊細な味わいを決して邪魔することなく、心地よい余韻だけを残してくれます。
忙しない日々のなかで、海を越えたふたつの時間が交差して生まれたこの一杯は、私たちに静かな「余白」をくれます。
織り重なる文化に思いをはせて、今日という日をゆっくりと解きほぐしていく。
そんな穏やかな夜のひとときを、どうぞごゆっくり。