ボトルの中に見えるのは、琥珀色の液体。
ウイスキーのようにも見えるこのお酒は、なんと、クラフトジンなんです。
バーボン樽の奥深さと、日本の山々が育んだ和のボタニカル。
2つの世界が交差する至高のクラフトジン「刻杜 -Koto-」です。
今回はクランドの開発担当者に、その調和の秘密について聞きました。
プロフィール
はじめ
酒蔵と相談しながら素材の選定からブレンドなど、どんな設計にするかを決める商品開発を担当している。
担当商品は「Black Opal」や「橙 -tou-」、「楢ノ香 -naranoka-」など。
琥珀色の液体に宿る、重厚なコクとバニラ香
──今回は、クラフトジンと伺っていましたが、お酒は透明ではなく、琥珀色ですね。
そうなんです。
ジンには「無色透明で爽やか」というイメージが強くありますが、今回はそのイメージを裏切るようなアンバーカラー。
木樽で熟成しているため、色も香りも大きく変わっているんです。
ジンとしてはかなり珍しい製法になります。
──なるほど、木樽で熟成することで美しい琥珀色になるのですね。熟成に使う樽はどんなものを使用しているのですか?
バーボン樽を使っています。
バーボン樽は、甘やかなバニラ香と木の深みを引き出しやすい樽です。
今回のボタニカルはハーブ系の素材が多いんですが、そのハーブのニュアンスが、樽がもたらす香りや甘みときれいに調和してくれるんです。
樽の風味を活かす和のボタニカル
──先ほどおっしゃっていた、このジンに含まれるボタニカルについて、こだわりを教えてください。
和のボタニカルを使っています。
千数百年の歴史を持つ名湯の地で育まれた有馬山椒や、緑茶、神木として尊ばれてきた楠(くすのき)の枝、そして青紫蘇や柚子などを厳選しました。
──たくさんあるボタニカルの中で、 主役の素材はありますか。
柚子です。
樽由来の甘さやウッディさに対して、柚子のシトラス感が爽やかな「抜け感」をつくってくれるんです。
また、山椒も鋭さとシトラスっぽいニュアンスを同時に持っている素材なので、樽の重さを引き締める役割があります。
楠の枝や緑茶は、ウッディで青みがかった風味を底から支えるイメージで選びました。
重層的に訪れる香りを楽しんで
──実際に飲んだとき、どんな部分に注目してほしいですか?
香りの変化です。
グラスに注いだ瞬間から、ジュニパーベリーの青みがかった香りと、柚子のシトラス感が一緒に漂ってきます。
そこに樽由来の甘い風味がなじんで、香りが層になっている感覚があります。
口に含むと、茶葉や楠の枝のウッディな風味と山椒の鋭さが調和して、後からバーボン樽のバニラ香と、ボタニカルの爽やかな香りが鼻に抜けていくんです。
この香りの流れを最も感じやすいのがロックですね。
氷が溶けるほどに柚子や山椒の爽やかさが開いてくるので、変化をじっくり追いながら飲んでみてください。
──いいですね、香りの変化がしっかり感じられそうです。お酒を割って楽しみたいという方におすすめの飲み方はありますか?
トニックウォーターで割ったり、ソーダとトニックウォーターを半々にするのも面白いと思います。
少しソーダを加えるだけでも、香りが立ちやすくなります。
和のボタニカルたちを、和食とともに
──では、このお酒に合う料理のアイデアはありますか?
和食が合うと思います。
山椒を使っているので、もともと和の食材との相性はいいんです。
特におすすめしたいのは、ごぼうの唐揚げのような、油感がある和の料理です。
ソーダ割りにして合わせると、お互いの香りが引き立ちます。
うなぎのかば焼きも、いいのではないでしょうか。
パンチのある甘いたれと、このお酒の樽香がよく合いそうです。
──和の素材を使い、バーボン樽で熟成したこのジン。どんな方におすすめなんでしょうか?
ジンが好きな方はもちろんですが、ウイスキーが好きでジンはあまり飲んだことがない、という方にもぜひ手に取ってもらいたいです。
樽の香りという共通点があるので、入り口として入りやすいと思います。
──樽熟成のジンの魅力、多くの方に味わっていただきたいですね。
香りの変化とともに、至福の余韻に酔いしれて
ジンの常識を覆すバーボン樽熟成と、和のボタニカルが織りなす至高の調和。
琥珀色の液体に隠された重厚なバニラ香と柚子の爽快感は、一口ごとに新しい発見をもたらしてくれます。
ロックグラスを傾けながら香りの変化を追うもよし、ソーダ割りで和食とのマリアージュを楽しむもよし。
枠にとらわれないクラフトジンとともに、深く満たされる夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。