商品企画担当のいそがいです。
春の温もりが少しずつ風に混じり、夕暮れの空に柔らかな光が長く留まる季節になりました。
一日を終え、家路につき、ほっと息をつく瞬間。皆さまは、どんな風に心を整えるのでしょうか。
今日は、私が企画したクラフトウイスキー「わをん。~食を彩るクラフトウイスキー~」のお話を、少しだけさせてください。
五十音の最後に込めた願い
お米由来の優しい味わいを持つこのウイスキーに、どんな名前をつけようか。
「むすび」や「しおり」といった言葉も頭に浮かびましたが、五十音表をただぼんやりと眺めていた時、ふと最後の3文字が目に留まりました。
「わをん」。
その丸みを帯びた仮名文字の響きが、このお酒の持つ柔らかさと見事に重なり、心の奥底でしっくりくるのを感じたのです。
食事中に交わした会話や、味わった美味しいものたち。
そのひとつひとつの出来事がひとつの物語だとしたら、最後は心地よい余韻で締めくくられてほしい。
そんなささやかな願いを込めて、「わをん。」と名付けました。
最後に「。」を添えたのは、ウイスキーに馴染みがない方にも、もちろんウイスキーがお好きな方にも、「おっ?」と目を留めていただきたかったから。
親しみやすく、ちょっとした引っ掛かりを作るアクセントになっています。
食卓を彩る、控えめな佇まい
このウイスキーは、決して食卓の主役ではありません。
名前が決まり、副題やラベルのデザインをどうするかと思い悩んでいたときのこと。
酒蔵の方から「これは和食に合うウイスキーなんですよ」という言葉をいただきました。
それから、このお酒は、食事という物語の「素敵な締めくくり」として、あえて脇役に回ってほしいと思いました。
だからこそ、「~食を彩るクラフトウイスキー~」という副題を添えて、どんな風に楽しめばいいのかを想像しやすいようにしています。
ラベルのデザインにも、ほんの少しのさじ加減を。
食卓をパッと明るくするような彩りを持ちながらも、少しだけトーンを落としてモダンな印象にすることで、静かな高級感を持たせました。
実は、キャップに付いた封緘(ふうかん)ラベルにも、こっそりと「。」が隠れています。
そんな遊び心もまた、日々の暮らしを彩るエッセンスになればと思っています。
心地よい余韻と、自分なりの夜の過ごし方
私がこのお酒と一緒に楽しむとしたら、例えばしっとりとしたチーズケーキ。
あるいは、抹茶やあんこを使った和菓子もいいかもしれません。
甘いお菓子とウイスキーの香りが口の中で溶け合う、一日の終わりの優しいご褒美です。
グラスの中でカランと氷が鳴る音。
ふわりと立ち上る、甘く芳醇な香り。
日々の生活の中でどうしても生まれてしまう心の揺らぎも、この一杯をゆっくりと味わううちに、静かに凪いでいくのを感じます。
季節は巡り、また新しい日々が始まります。
何気ない食卓の風景に寄り添い、明日へ向かうために背中を押してくれる。
「わをん。」が、皆さまにとってそんな存在になれれば嬉しいです。
今夜も、自分なりの心地よい余韻を味わってみませんか。