今日の夕食に、どんなお酒を合わせますか。どんな食卓にも、気負わずそっと寄り添ってくれる一本があったなら。
今回は、純米大吟醸酒「月汐(つきしお)」についてお話を伺います。
どのようなこだわりが隠されているのか、本商品を手がけたクランドの担当者に、その開発秘話を語ってもらいました。
プロフィール
ベーやん
クランドで全国の魅力的なお酒や食品を仕入れるバイイング担当。
「宵明 -yoimei-」をはじめとする日本酒だけでなく、「&ROSE Premium ~金箔舞う梅とロゼワインのおさけ~」などの梅酒も担当している。
&ROSE Premium ~金箔舞う梅とロゼワインのおさけ~
国産梅とロゼワインのお酒
和歌山県産の梅果汁とロゼワインを合わせた「&ROSE Premium ~金箔舞う梅とロゼワインのおさけ~」。梅の爽やかな香りと甘酸っぱさに、国産ロゼワインの上品で繊細な余韻が重なり、美しいハーモニーを響かせます。キラキラと金箔舞う1本と、煌びやかなひとときを。
伝統的製法、その魅力を伝えるために
──まずはこの「月汐」、どのような経緯で生まれたのでしょうか?
クランドのラインナップに少ない山廃(やまはい)仕込みのお酒を造りたい、というところからでした。
この山廃仕込みは、手間暇のかかる製法ですが、圧倒的なコクと、キレのある酸味の立体感が生まれるんです。
山廃ならではの複雑な旨味や酸味の深みは、日本酒の奥行きを知るうえで欠かせないものだと思っていて。
「もっとたくさんの人にこの魅力を届けたい」というのが、きっかけです。
──製法にこだわりがあるのですね、ではその製法が生んだ味わいについて詳しく伺いましょう。
山廃仕込みが生む、コクとキレの立体感
──では「山廃仕込み」とはどのような製法なんでしょうか。
そうですね、山廃仕込みは日本酒における伝統的な製法です。
一般的な日本酒が人工の乳酸を使ってクリアに育つのに対し、山廃仕込みは蔵の中に生きる天然の乳酸菌をじっくりと呼び込みます。
手間も時間もかかるぶん、他にはない圧倒的なコクと、キレのある酸味の立体感が生まれるんです。
この山廃仕込みで造った「月汐」は、まさに究極の旨口だと思っています。
──究極の旨口……具体的にはどんな味わいなのでしょうか?
甘みがあって、酸があって、旨みがあって……一言では語り尽くせません。
それぞれがバラバラに存在するのではなく、複雑に結びついている。
その立体感こそが、このお酒の一番の個性だと思っています。

酒米「愛山」が宿す、果実のような豊かさ
──使われている酒米「愛山」もポイントだと聞きました。この酒米を選んだ理由を教えてください。
「愛山」は、酒米の王様と呼ばれる「山田錦」と歴史が古く幻の酒米ともいわれる「雄町」という2つの名品種の血統を受け継いだお米です。
お米由来の濃厚でジューシーな甘みと、芳醇な旨みを引き出せるのが最大の魅力で、山廃仕込みとの相性がとてもいい。
コクのある製法に、旨みの豊かなお米を合わせることで、互いの個性を引き出し合えると考えました。

──名品種の良いとこ取りをした酒米なんですね。愛山を使うことでどのような味わいになりますか?
まずグラスに注いだときに、バナナやメロンを彷彿とさせる果実味豊かな香りが穏やかに広がります。
口に含むと、愛山ならではのふくよかな甘みが広がって、その奥に山廃由来の骨太な酸がじわりと主張してくる。
その変化がとても心地よいんです。
愛山を47%まで磨いているので、雑味のない純粋な旨みだけを感じていただけると思います。
チーズや生ハムなど、発酵料理とのペアリング
──それでは、実際に飲んでいきましょう。冷酒や熱燗などおすすめの飲み方はありますか?
冷酒向きではあるのですが、冷やしすぎないほうが美味しいです。
キンキンに冷やすと旨みや香りが閉じてしまうことがあります。
冷蔵庫から出して少し待つ、花冷えから涼冷え(10〜15度)くらいのほうが、丸みのある酸やふくよかな旨みがじわっと開いてきますよ。
ぜひ、温度の変化も楽しみながら飲んでみてください。

──「月汐」に合わせるおつまみはどんなものが良いでしょう?
乳酸発酵の食品との相性がとてもいいです。
山廃仕込みも乳酸菌由来の酸が特徴的なので、同じ発酵という文脈でつながる料理と合わせると、お互いをぐっと引き立て合います。
チーズや生ハム、サバのへしこあたりは特におすすめです。

──発酵したもの同士、相性がいいんですね。合わせる食事ではどのようなジャンルがおすすめですか?
甘みと酸味と旨みをあわせもっているので、ジャンルを問わず食事と渡り合えます。
イタリアンや中華など、少し濃いめの味付けの料理にも負けない力強さがあって。
お肉料理やチーズとも相性がいいので、食卓に1本置いておくだけで、その日の料理の幅がぐっと広がると思います。

──どんなときにも、そばに置いておきたい1本ですね。ぜひ多くの方に月汐の魅力を知って頂きたいです。
いつもの食卓を彩る、究極の旨口
ひと口飲むごとに静かな感動が押し寄せる「月汐」。
山廃仕込みが織りなす立体的な味わいと、希少な酒米・愛山の芳醇な香りは、いつもの食卓をぐっと豊かにしてくれます。
ゆっくりと流れる夜のひとときを味わってみてはいかがでしょうか。