猫がのどを鳴らす、あのゴロゴロという音。
耳にするだけで、こわばった心がゆっくりとほどけていくような心地よさがあります。
その音を、お酒づくりに取り入れたらどうなるだろう。
そんな発想から生まれたのが、純米吟醸「猫音(にゃおん)純米吟醸 ~ゴロゴロ仕込み~」です。
今回は、この1本を企画した開発担当に、どんな想いで猫とお酒を結びつけたのか、じっくりと話を聞きました。
プロフィール
みてら
クランドで商品開発チームをマネージャーとしてまとめる責任者でもあり、日本酒からリキュール、スイーツまで幅広くクランドの商品開発に携わる。
担当商品は「罪」シリーズ、「三千世界」「悪魔のチーズケーキ」など。
きっかけは猫好きの熱い想いから
──まず、このお酒はどんなきっかけで生まれたのでしょうか。
猫を愛するすべての人へ贈る、癒やしの日本酒を目標に動き出した企画です。
社内には猫好きが多くて、ふだんの雑談のなかで、猫のゴロゴロ音にはリラックス効果があるらしい、という話題になりました。そこから、このゴロゴロ音をたっぷり聴かせながら発酵させたら癒しのお酒ができるんじゃないか、そんなアイデアが出たんです。
猫がリラックスしているときに鳴らすゴロゴロ音の心地よさを、味わいのなかにも閉じ込める。
そのコンセプトが固まってからは、どうすればお酒に満遍なく音を届けられるか、そればかり考えていました。
──「お酒にゴロゴロ音を聴かせる」というのは、具体的にどういうことなのでしょう。
日本酒は、大きなタンクのなかで、お米がゆっくり発酵して造られていきます。
その発酵のあいだ、タンクのそばにスピーカーなどの音響機材を置いて、猫のゴロゴロ音をずっと流し続けるんです。
人がヒーリング音楽を聴いてほっとするのと同じように、醸しているお酒にも、あの心地よい音をたっぷり浴びてもらうようなイメージです。

ゴロゴロ仕込みを現実にするために
──猫のゴロゴロ音を生かすお酒とはユニークですよね。このユニークなお酒の実現に向け、どんな工夫をされたのでしょう。
いちばん試行錯誤したのは、仕込みや発酵の現場に音響機材を設置するところです。
タンクのお酒全体に、猫のゴロゴロ音がまんべんなく行き渡るように、設置する位置や、音の届かせ方を、少しずつ調整していきました。
──使われたお米にはどのような特徴があるのでしょうか。
使っているのは、新潟県産のこしいぶきというお米です。
実は酒造り専用のお米ではない食用米なんですよ。
コシヒカリの血を引く品種で、つや・粘り・香りのよさをしっかり受け継いでいて、冷めてもおいしいと評判のお米です。
お酒に使うと、すっきりとした後味に、軽快な甘みと旨みが引き立ちます。
雑味が少なく、滑らかで綺麗なお酒に仕上がってくれるお米です。

──味わいそのものは、どのように設計されたのですか。
目指したのは、猫のゴロゴロ音が持つリラックス感を、口にしても感じていただけることです。
角のない、まろやかで優しい口当たりにこだわりました。
お米の自然な旨みと甘みはしっかり残しつつ、飲み疲れしない後味を意識して、1日の終わりに、すっと寄り添ってくれるようなバランスを探っていきました。
──このお酒づくりで、特に苦労された点はありますか。
音の環境づくりに加えて、味わいを一定に保つことですね。
原料米の調達状況や、季節ごとの環境の変化が起こる中でも、同じ高品質な味わいをお届けできるよう、原酒の調整は丹念に行っています。
飲んでくださる方が、いつ手に取っても安心できるよう、気を配っています。

愛猫と過ごす夜にぴったり
──おすすめの飲み方を教えてください。
まずは冷蔵庫でよく冷やして、8〜10℃くらいで飲んでみてほしいです。
冷やすと、こしいぶき特有のすっきりとした透明感と、フルーティーな香りが、きりっと引き立ちます。
少し時間が経って温度が上がってくると、今度はお米の柔らかな甘みがふくらんでくるんです。
その移ろいも、ゆっくり味わっていただけたらうれしいですね。

──料理やおつまみは、どんなものが合いそうでしょう。
出汁の効いた和食や、白身魚のお刺身とよく合います。
カマンベールチーズのような、少し乳のコクがあるものも好相性です。
個人的には、1日の終わりに愛猫と戯れたり、お気に入りの猫動画を眺めたりしながら、肩の力を抜いた晩酌の時間に開けてほしいお酒です。
──発売後、まわりの反応はいかがでしたか。
猫のゴロゴロ音を聴かせた、前代未聞のお酒として、社内でも大きな話題になりました。
SNSやお客様からは、愛猫と過ごす夜にぴったり、ネーミングやコンセプトが可愛くて癒やされる、口当たりが優しくて飲みやすい、といった声をいただいています。
猫好きの方にプレゼントするのもおすすめの1本です。

猫のゴロゴロ音を聴かせて醸す、癒やしのお酒
猫のゴロゴロ音を、1本のお酒に閉じ込める、という試み。
その実現には猫好きの方へのまっすぐな想いと、地道な試行錯誤がありました。
ネーミングからパッケージまで、猫を愛する人の世界観を大切に仕上げられた1本です。
このお酒を片手に、愛猫とくつろぐ癒しの夜を過ごしてみませんか。










