今回ご紹介するのは、カシスと巨峰、そして瀬戸内レモンを重ねてつくった「魔性のサワー」。
ひと口飲めば濃厚な甘みに惹き込まれ、爽やかな余韻のあとにまたグラスへ手が伸びる、そんな1本です。
「魔性」をどのようにお酒で表現したのか、開発を担当したメンバーに聞きました。
プロフィール
はじめ
酒蔵と相談しながら素材の選定からブレンドなど、どんな設計にするかを決める商品開発を担当している。
担当商品は「ガーネット」や「至宝のピンクグレープフルーツサワー」、「悪魔の赤レモンサワー」など。
「魔性」を表現するお酒への挑戦
──まず、この「魔性のサワー」。名前からインパクトが強いですが、どんなきっかけで生まれたのでしょうか。
以前販売した「悪魔の赤レモンサワー」の商品名を考えていたときのことです。
いくつか挙がった候補のひとつに、「魔性」という言葉がありました。
採用こそされませんでしたが、「このワード、いいよね」と話が盛り上がったんです。
それなら、この世界観を目指したお酒をつくろう、ということになりました。

──なるほど、商品の世界観が先に決まっていたんですね。「魔性」をテーマにしたお酒を開発する上で、譲れなかったポイントはありますか。
色合いです。
「魔性」を感じさせる濃密な赤色は、特に大事にしました。
グラスに注いだ瞬間の見た目から、すでに世界観が始まっていてほしかったんです。
同じように、味わいのほうでも「魔性」をどう表現するかを考えました。
惹き込まれるような、少し危うい魅力。
素材を探すなかで、最初に着目したのがベリー系でした。
カシスを軸に生まれる「魔性」の世界観
──なるほど、ベリー系の素材を中心に「魔性」を表現したんですね。どんな素材にたどり着いたのでしょうか。
使っているのは、カシス、巨峰、瀬戸内レモンの3つの果実です。
大まかにいうと、カシスと巨峰で味わいに厚みと奥行きをつくり、最後にレモンで引き締めます。
3つとも味の個性がはっきりしている分、どの素材をどれくらい効かせればいいかが見えやすく、理想的なバランスが実現しました。
──まず、軸になるカシスの役割は、具体的にどのようなものでしょうか。
カシスは、ベリー系のなかでも、ラズベリーやブルーベリーのような甘酸っぱいタイプではありません。
しっかりとした酸味と渋みを備えたカシスを軸に据えることで、一気に「魔性」らしさが出せると考えました。
艶やかな香りと甘み、そしてほろ苦さ。
この渋みがあるからこそ、ただ甘いだけのお酒にならず、味わいにボディ感が生まれます。
──カシスを軸にすると決めて、そこからはどう組み立てていったのですか。
カシスは個性のはっきりした果実です。
ただ、それを軸にすると、味わいがどうしても尖ってしまいます。
お酒としての厚みが足りなくなるんです。
大幅に加糖して甘みを補う方法もありますが、それだと味わいが単調になりかねません。
ここは少し悩んだところでした。
甘さで解決するのではなく、ボディ感を保ったまま厚みを出したかったんです。
そこで、カシスと自然につながる深みを残しつつ、みずみずしい甘みを与えてくれる素材として選んだのが、巨峰でした。
──巨峰の役割は、甘みを足すことなんですね。
それだけではありません。
長野県産の巨峰を使っているのですが、あのふくよかな果汁が、味わいに厚みと奥行きをつくってくれるんです。
カシスの渋みと相性がよく、味わいに一体感を出し、心まで満たされるような、豊かな甘みを与えてくれました。
濃密さと爽やかさのコントラストが生む魅力
──最後に効いてくる瀬戸内レモンは、どんな余韻を残すのでしょうか。
カシスや巨峰の甘美な味わいの後に、凛としたレモンの酸味が濃密な甘さをすっと引き締めます。
しかし、それだけでは終わりません。
さっぱりとした後味のなかで、その甘さがまた恋しくなって、つい、もうひと口。
この抜け出せない感覚こそ、「魔性」の味わいです。
──濃厚でいて爽やかな、このお酒に合わせるなら、どんな料理がおすすめですか。
かなりボリュームのある味わいなので、ステーキや照り焼きなど、味のしっかりしたお肉と合わせるのがおすすめです。
本商品を炭酸水で1対3で割り、お肉といただく。
最高の組み合わせだと思います。
「魔性」の魅力に吸い込まれるような、ラベルデザイン
──ラベルのデザインも印象的です。どんなイメージから膨らませたのでしょうか。
魔性=惹き込まれるというイメージから、渦に吸い込まれていくようなデザインにしました。
見ているだけで、その中へ引き寄せられていくような味わいの体験と、見た目の世界観をひとつにつなげたかったんです。
──味わいだけでなく、見た目にまで「魔性」が徹底されているんですね。
はい。
思わずハマってしまう味わいと、渦に引き込まれるようなデザイン。
飲む前から、飲んだあとまで、ずっと「魔性」の世界観を楽しんでもらえたらと思っています。
──味わいから見た目まで「魔性」の魅力が詰め込まれたこのお酒、ぜひ試してほしいですね。
夜を濃密に彩る、甘美な甘みと酸味の魔性
「魔性のサワー」は、「魔性」の世界観に正面から挑んだお酒でした。
カシスの渋み、巨峰のふくよかな甘み、瀬戸内レモンのキレ。
3つの果実が代わる代わる顔を出し、濃密さと爽やかさのあいだを行き来します。
爽やかに終わったはずなのに、また濃厚な甘さが恋しくなって、つい、もうひと口。
果実の魅力に翻弄される感覚は、一度知るとなかなか抜け出せません。
