クランド初のスキンケアカテゴリとしてリリースされた、新ブランド「Mira+(ミラプラス)」。これまでクランドは、お酒の開発を通して「一日の終わりにほっとする時間」など、毎日を少し豊かにする、日常の中で気軽に楽しめる“ちょっとしたご褒美”の時間を提案してきました。その考え方を、スキンケアという新しい領域にも広げています。
このプロジェクトを、ターゲットの設計や企画の開発などゼロから走り抜けたのがクランドスタッフのyoshico。開発の裏側をたっぷりと聞いてきました。
マーケティング担当・yoshico
KURAND入社当初よりマーケティング関連の業務に従事し、主にメールマガジンやLINEなど、お客さまとのコミュニケーション戦略や設計などをを行う。また、クランドのコミュニティ「クラフト酒研究所」の立ち上げから運営までを担ってきた。これまで積み重ねてきたお客さまとのコミュニケーションをもとに、「Mira+」の立ち上げから商品開発までを実施。
そもそも、Mira+ 発酵美容液とは?
今回発売された「Mira+ 発酵美容液」とは、どのような商品なのでしょうか。
「日本酒造りの現場で生まれる“酒粕”に着目した発酵美容液です。『いつものスキンケアだと何かが足りなくなってきた気がする』『もっと自分を労わりたいけど、何を選べばいいんだろう』という方に寄り添えたらと思って作りました。手のひらに吸いつく、もっちりとした感触で、甘酒を注いだ瞬間のような柔らかな香りに包まれる。毎日のお肌を整える、優しい処方にこだわっています」
具体的には、どんな成分が入っているんですか。
「大きく3つあります。まず、透明感※1をプラスするスパークルナイアシン※2。乾燥してキメが乱れた肌でも角質層までぐんぐん浸透※3し、くすみを晴らして、使うたび光を跳ね返すほどに透き通るワンランク上の肌印象を叶えてくれます」
「次に、ハリをプラスする酒粕エキス※4。酒造りの責任者である『杜氏(とうじ)』の手の美しさをヒントに配合していて、肌に潤いのバリアを張ります。あとに使うスキンケアの浸透※3を邪魔せず、しっとりかつ内側※5から押し返すような弾力のあるベース※6を作ってくれるんです」
「最後に、ガラクトミセス※7。この成分で潤いをプラスします。日本酒造りに用いられる天然酵母由来の成分で、肌本来のコンディションをサポートしてくれます。さらに毛穴を引き締める効果もあると言われていて、くすみやハリにもアプローチします。角質層まで潤いを与えながら、キメ細かく、手のひらに吸いつくようになめらかな肌に整えてくれる成分です」
※1 透明感:潤いを与えてキメを整えることによる ※2 スパークルナイアシン:肌なじみを高めるため、ナイアシンアミド(整肌成分)を浸透しやすいように10分の1の粒子にしています。 ※3 浸透:角質層まで ※4 酒粕エキス:保湿成分 ※5 内側:角質層まで ※6 ベース:角質層の健やかな状態 ※7 ガラクトミセス:ガラクトミセス培養液(整肌成分)
今回、発売前にモニターキャンペーンも実施していました。お客さまからの反応はいかがでしたか?
「クランドをご利用いただいたことのある一部のお客さまを対象に実施したモニターキャンペーンですね(実施期間は2026年7月22日〜8月20日)。その結果モニターの約80%から『肌がもちもちになります』『翌日のしっとり感が違う』というポジティブな声をいただけて、すごく手応えを感じました。商品ページにはすでに200件以上のレビューが集まっていて、5段階評価で平均4.3という評価をいただいています」
なぜ、お酒の会社がスキンケアに?
早速本題に入りますが、率直に伺いたいのですが、なぜお酒の会社がスキンケアを?
「好きな1本のお酒を選ぶことも、自分の肌を丁寧にケアすることも、忙しい毎日の中で『自分のために時間を使う』という点では同じだと思ったんです。クランドがこれまでお酒を通じて届けてきた“ちょっとしたご褒美”の時間を、飲む時間の外にも広げてみたい。その一つの答えとして選んだのが、スキンケアでした」
「第1弾の発酵美容液に酒粕エキスを配合したのも、お酒とのつながりを単なる説明ではなく、商品そのものにも持たせたかったからです」
そもそも、企画がスタートした頃はどんな状態だったのでしょうか。
「最初はまだ本当にざっくりしていて、『酒粕入りの美容液か化粧水を作りたい』というところからのスタートでした。コンセプトの言葉もまだ固まっていなくて、『なんとなくこういうものを作りたい』というイメージだけがある状態でしたね」
本当にゼロベースの開発だったんですね。そこからどうやって具体化していったのか詳しくお聞きしていきたいです。
「まず、市場を知るところから始めました。今伸びているカテゴリーは何か、人気の韓国コスメの傾向はどうか、といったスキンケア市場の動向を一気にインプットして。そこから他社のベンチマークや、製造してもらえるパートナー探しを並行して進めていきました」
美容液を選んだ理由
第1弾として「美容液」を選んだ理由にはどういった背景があったのでしょうか。
「スキンケア領域って幅広いと思うんですけど、まずは日々使っていただける頻度が高い商品がいいなと思って。ただ化粧水や乳液とかベースにかかわる商品となると、もうすでに決まっている方が多いと思うんですよね。そこを新しい会社の商品に乗り換えるのは、なかなかハードルが高い」
「一方で、美容液のような“プラスして試せるもの”なら、今使っているものはそのままに、気軽に取り入れてもらいやすいんじゃないかと思ったんです」
確かに。美容液はお悩みに合わせて、追加していきますね。そうなってくるとターゲット層が重要と思うのですが、どのように決めていったのでしょうか?
「完全に自分をペルソナにターゲットを考えていきました(笑)。自分が欲しいものが一番イメージ付きやすいですし、何よりプロダクトの1番のファンになれます。なので30歳前後の女性をコアのターゲットとしておきました。自分に近い年齢の友人たちにアンケートを取ったり、実際に電話でヒアリングしたりして。今使っている化粧品と、なぜそれを使っているのか、今どんなことに悩んでいるのかを聞いていったんです」
「その中で見えてきたのが、『年齢的にも肌が揺らぎやすい』という悩みでした。ちょうど30歳前後って年齢による肌質の変化が起こりやすくなりますし、ライフステージの変化も多く、ストレスによる影響もすごく大きい時期だと思います。だったら優しい素材で、日々のケアに寄り添えるものにしたいなと思うようになりました」
yoshicoさんご自身の実感も反映されているんですね。
「かなり反映されていると思います。私自身、ストレスがかかるとすごく肌が荒れやすいタイプなんです。だからこそ、そういう時の化粧水や美容液って、私にとってはすごく特別なもので。『こんな時、何を届けられたら嬉しいんだろう』というのは、常に考えていました」
「あとは友人の中に、当時ちょうど大変な時期を過ごしていた子もいて。その子に絶対届けたいな、と思いながら開発していたところもあります。実際に電話をして、『最近どんな化粧品使ってるの』『今どんなことに悩んでる?』と、かなり具体的に聞かせてもらいました。単純にアンケートの数字を見るよりも、その人の顔を思い浮かべながら『この子に届けたい』と考える方が、私にとってはずっとイメージが湧きやすかったです」
スパークルナイアシンや酒粕エキス、ガラクトミセスといった、さまざまな成分が入っています。今回スキンケアという新しい分野で専門の知識もないような状態だったと思いますが、どのように選んでいったのでしょうか。
「酒粕やガラクトミセスについては、色々なお酒系の美容液・化粧水を取り寄せて試していく中で、酒粕発酵美容液にガラクトミセスが使われているのを見つけました。ガラクトミセス自体、日本酒などの発酵に使われている天然の酵母成分がもとになっているんです。品質面でも安心感がある成分だと感じましたし、何よりお酒を扱う私たちのコンセプトからも欠かせない成分だと思いました」
「さらに、先ほどのターゲット層で考えた『肌が揺らぎやすい人』向けと考えた時に、刺激の強い成分は避けたいと思っていました。毎日使うというよりはスポットで使うイメージの成分もある中で、今回の“日々に寄り添う”というコンセプトに合う、話題性も認知度もある成分を探して、ナイアシンアミドに行き着きました」
製造をお願いする会社は、どうやって選んでいったのでしょうか。
「正直化粧品カテゴリは初めてで、何から始めようという感じだったので、幅広く化粧品開発を手掛ける会社にいくつも問い合わせをして、コミュニケーションの取りやすさや対応のスピード感などを見ながら絞っていきました。容器は本当にいろんな種類を取り寄せて、どれを使いたいか一つひとつ見比べていったんです」
最終的に依頼先を決めた、一番の決め手は何だったんでしょうか。
「担当してくださった方の熱量が大きかったです。クランドがやるということへの期待感というか、意気込みをすごく感じました」
「香りについても、最初は私は爽やかな柑橘系の香りを考えていたんですが、『せっかく酒粕を入れるなら、ミルキーな香りもいいかもしれません』と、相談をしていく中で具体化していくことができました。そして、ミルクのやわらかな甘さに、 ネロリの気品ある香りを重ねたリラックスできる現在の香りにいきつきました」
「あと、成分として決めていたナイアシンアミドについて、肌なじみを高めるため、ナイアシンアミドを浸透しやすいように10分の1の粒子にする『スパークルナイアシン』の技術をこの会社が持っていたんです。せっかくいいスキンケアを作るのであれば、これを使わない手はないという思いで、最後の決め手になったと思っています」
大切にしたのは「使う瞬間の気持ち」
処方が固まっていく過程では、どのようなやり取りがあったんですか。
「香りやテクスチャーは、サンプルをいただきながら3回くらいやり取りを重ねて決めていきました。その過程でずっと大事にしていたのは、成分やテクスチャーの最適化そのものよりも、“使う瞬間にどんな気持ちになってほしいか”という部分でした」
「夜眠る前にMira+を使って、ふっと一息つけるような香り。とろみがあって、肌に馴染んでいく感覚。そのときの気持ちのイメージだけは、絶対にブラさないようにしようと思っていました。成分の配合やテクスチャーはいくらでも調整できるんですが、それを全部まとめて“どんな体験を届けたいか”という軸だけは、最後まで大事にしていた気がします」
方向性が見えてきた頃、ブランドとしての立ち位置はどう定めていったのでしょうか。
「マーケティングを調べる中で、成分や機能を前面に押し出す“ドクターズコスメ”的な方向と、企業のストーリーを前面に押し出す方向と、大きく2つの型があるなと感じていました」
「ただ、成分を強く打ち出しすぎると、肌への刺激が強くなりがちで、毎日気軽に使うというよりは“ここぞという時に使うもの”になってしまう印象がありました。それに、そういう製品を選ぶ人は、自分に何が足りないかがすでにはっきりしている人が多いと思うんです。でも私たちの世代って、選択肢が多すぎて逆に何を使えばいいか迷ってしまうことも多い」
「一方で、ストーリーだけに寄りすぎると、何がいいのか分かりにくくなって、企業への共感だけで終わってしまう可能性もあります。だから、『これを使っていれば安心』という軸としての信頼感と、ちゃんとしたストーリーの両方が必要だと思いました。派手な即効性を謳うのではなく、迷ったときに“自分の味方になってくれる”ような美容液でありたい、というのが、たどり着いたポジションです」
「自分の味方」という言葉、印象的ですね。
「私たちの世代って、選択肢が多い分、逆に『結局どれがいいのか分からない』となりがちだと思うんです。背中を押してほしいわけでも、緊急で何かを解決したいわけでもないけれど、なんとなく肌がゆらいでいる、ストレスが溜まっている。そういう時に、ふと手に取ってもらえる存在でいたい。答えを押しつけるのではなく、そっと寄り添えるような立ち位置を目指しています」
「Mira+」という名前に込めた想い
ブランド名の決め方も気になります。
「実は、コンセプトの言葉自体はまだふわっとしている段階で、先に商品名を決めていきました。ターゲットや押し出したい方向性がある程度固まったタイミングで、名前を考え始めました」
「文字数や読みやすさ、パッと見たときの印象を重視して、2〜3文字くらいで覚えやすい響きを探していきました。記号を入れて視覚的に目を引くようにしたい、というのも早い段階からあったアイデアです。候補としては他にも、光をイメージさせる『オーラ』とか、うるうるした輝きを感じさせる『ルミー』のような言葉も出していました」
「ミラ」という言葉には、どんな意味を込めているのでしょうか。
「“美しい”という響きや、水っぽさ、うるおい感のようなイメージを込めたくて、『ミラ』という音を選びました。複数の案と照らし合わせて行く中で、『未来』という言葉ともつながっていることに気づいて、これはいいなと。自分の未来に少し期待できるような、そんなイメージを持たせたいと思ったんです」
「そのほかにも『ミラクル』という言葉との響きの近さや、“鏡”や“見る”を意味する外国語との偶然の一致もあって、いろんな意味が後から重なっていって、この名前に自然と着地していった感じです。『+(プラス)』には、毎日の生活にちょっとしたプラスの体験を届けたい、という想いを込めました」
お酒を飲む時間と、スキンケアの時間
yoshicoさんご自身、お酒を飲む時間と、Mira+が目指したい時間には、何か共通点を感じますか。
「友人と集まる場があればお酒を飲みますし、一人でゆっくり飲む日もあります。どちらにも共通しているのは、“今日の自分のために、少し時間を使っている”という感覚かもしれません」
「好きな1本を選ぶときのワクワクも、夜、肌に触れる数分間も、誰かのためではなく自分のための時間だと思うんです。クランドが大事にしてきた『お酒を楽しむ時間』の感覚を、スキンケアという毎日の習慣にも広げられたらいいなと、今は思っています」
発売してからyoshicoさんもご自身は普段Mira+を使っていますか。
「朝夜どちらのケアとしても優秀なので、どちらも使っています。寝ている間に乾燥してしまうタイプなのですが、夜に使えば朝までしっかりと保湿が続きますし、最近は朝起きたときのケアとしても使うことも多いです。あと、少し前のサンプルは机に置いておいて、トイレの後にハンドクリーム代わりに使ったりもしています(笑)。友人にプレゼントすることも多くて、気づいたら配りまくっていますね」
今後、Mira+をどんなブランドに育てていきたいですか。
「まずは今回の美容液を、ちゃんと信頼してもらえるところまで育てたいと思っています。派手に商品数を増やすよりも、原料や使い心地について、一つひとつ正直にお伝えしていくことを大事にしたいです。今後も商品層は増やしていく予定なので、使ってくださった方の声を聞きながら、次の商品開発にも活かしていきたいと思っています。酒粕にこだわり続けるというよりは、その時々で“クランドがやる意味”をちゃんと持てるものを、これからも選んでいきたいと思っています」
最後に、これからMira+を手に取る方へメッセージをお願いします。
「開発している間は本当に無我夢中でしたが、ずっと大事にしていたことがひとつだけあって。それは、『これを使う人が、どんな気持ちになってほしいか』ということでした。効果とか成分とか、もちろんすごく大事なんですが、それ以上に、夜疲れて帰ってきた日に鏡の前に立って、Mira+を手に取ったときにふっと肩の力が抜けるような、そんな時間を届けたいと思っていました」

「私自身、仕事や生活に追われていると、つい自分のことを後回しにしてしまうタイプなんです。多分、この記事を読んでくださっている方の中にも、同じように感じている方がいるんじゃないかなと思っていて。だからこそ、『とりあえずこれを使っておけば大丈夫』と思ってもらえるような、ちょっとした安心材料になれたら嬉しいです」
「肌が元気だと、自分自身も元気になれる気がするんです。ちょっと疲れちゃったな、頑張りすぎたな、という時に、Mira+を使いながら、自分に少しだけ期待してあげてほしいなと思います。今日の自分のために、ほんの数分だけでも、時間を使ってみてください」