今回ご紹介するのは、ライチを主役に据えた果実酒「氷貴妃 -Crystal Lychee-」。
かつて一国の妃が愛したと伝わる果実を、蒸留と凍結という技術で1本のお酒に仕立てました。
開発担当者に、ライチという果実の魅力を、余すことなく味わっていただくための工夫を聞きました。
プロフィール
はじめ
酒蔵と相談しながら素材の選定からブレンドなど、どんな設計にするかを決める商品開発を担当している。
担当商品は「銀河のおさけ」や「翠氷 -SHINE MUSCAT-」、「輝宝 -Hakuho Hakuto-」など。
ライチの魅力を凍らせて楽しむ1本に
──まず、このお酒が生まれたきっかけを教えてください。
きっかけはシンプルでした。
ライチが好きなメンバーから、ライチの魅力が詰まったお酒ができないか、という声があったんです。
そこでライチの魅力を全面に押し出した商品を、ということで企画がスタートしました。
──クランドでは今までにもクラファンで生まれた「Rich-Lychee」など、ライチを軸にしたお酒に挑戦していました。今回の「氷貴妃 -Crystal Lychee-」とはどのような違いがあるのでしょうか?
「Rich-Lychee」とどう差別化するかを最初に考えました。
そこで決めたのが、暑い季節に凍らせて楽しめるお酒にすることです。
ライチと冷凍、この掛け合わせがこのお酒の軸になりました。
譲れなかったのは、パワフルなライチ感
──ライチと冷凍を組み合わせたこのお酒、開発の上で、譲れなかった点はどこでしたか。
パワフルなライチ感です。
華やかな香りと、しっかりとした強い味わいを半解凍の状態でも損なわず楽しめるように、何度も調整を重ねました。
凍らせると味は弱く感じられがちなので、そのぶん果実の輪郭をくっきり残す必要がありました。
ここは苦労した部分です。
──その華やかな香りは、どのように引き出したのでしょう。
ライチの果汁を蒸留し、香りを凝縮した「ライチスピリッツ」をつくりました。
ライチの芳香を丸ごと閉じ込めたかったんです。
華やかで芳醇な香りは、このスピリッツから生まれています。
またライチの果汁は一度凍結することで甘みを引き出す、凍結濃縮製法を使っています。
これによりライチ果汁がさらに上質なものになっています。
──なるほど、ライチの甘みと香りを引き出すことが最重要だったんですね。ライチの他にこのお酒を形作るものはありますか?
ベースになっているのはワインです。
ライチスピリッツだけでは、どうしても味わいが平坦になってしまいます。
ワインを重ねることで、酸味や軽い渋みがアルコールとともに加わり、果汁だけでは出せない厚みとボディ感が生まれました。
また、隠し味にはブランデーを入れ、味わいにコクをもたらしています。
楊貴妃とライチ、氷の世界が重なって
──「氷貴妃 -Crystal Lychee-」という名前も印象的です。このネーミングには、どんな背景がありますか。
商品のテーマとなるライチと冷凍から連想を広げていきました。
かつて唐の宮廷で楊貴妃が深く愛し、はるか遠方から早馬を飛ばしてまで取り寄せさせたという伝説を持つライチ。
そんな魅力的な果実を氷の世界に閉じ込める、という発想から「氷貴妃 -Crystal Lychee-」と名付けたんです。
──ラベルにも世界観が表れていますね。
霜のような模様をあしらって、氷点下の世界を表現しました。
装飾には、妃の冠を思わせる意匠を重ねています。
手に取った段階から、このお酒の物語が伝わるようにしました。
シャリシャリと溶けゆく甘美な味わい
──おすすめの飲み方を教えてください。
冷凍庫でしっかり冷やして、半解凍のシャリシャリの状態でお召し上がりください。
冷えたグラスに注ぐと、密な食感が現れます。
口のなかで少しずつ溶けていく感覚が楽しいです。
味わいは、まず凝縮された果実の甘みが広がり、そこへほのかな酸味が加わり、最後は奥深いコクへと移っていきます。
甘みから酸味、コクへと順に表情が変わる点に注目していただきたいです。
──料理と合わせるなら、どんな一皿がお好みですか。
私のおすすめは、エビチリのような甘辛くて味の強い料理です。
ライチの甘みと料理のパンチが響き合います。
晩ごはんから食後のデザートがわりまで、通しで寄り添ってくれる一本だと思います。
ライチの味わいをまっすぐ感じたい方に、届けたいですね。
濃密ライチを氷の世界へ閉じ込める
「氷貴妃 -Crystal Lychee-」は、夏にライチを味わうためにつくられた1本です。
ライチの香りは蒸留で引き出し、甘みは凍結濃縮で閉じ込める。
ワインを軸に据えることで、果汁だけでは出せない味わいの厚みも加わっています。
半解凍のシャリシャリとした状態で、甘みから酸味、コクへと移ろう味わいを、ぜひ確かめてください。